音楽の編み物

シューチョのブログ

クリ拾い

クリ拾い(40)

「小出さんと温泉だら飲みオフ」(直リンクおよび関連詳細記事→1または2)がおもしろいです。まだ一部しか見ていませんが、小出さんの話し言葉の「間」で聞くことで、より深く伝わってくるところがあります。例えば、初めの方の「核物質防護」のお話(「1/4…

クリ拾い(39)

第七藝術劇場で、安田好弘さんを追ったドキュメンタリー映画『死刑弁護人』をみました。和歌山毒カレー事件については、「詐欺師さんだから、一文にもならないことはやらないでしょう」という素朴な論理と、「彼女の命がかかっていますから」という重い一言…

クリ拾い(38)

読んでから/見てから書く、書くなら読む/見る (1) 当ブログのコーナー、「クリ拾い」「ハードカバーと白熱電球」では、一貫して、「視聴したもの」「読んだもの」について何か書ければ書く、という「まじめな」スタンスで通してきたつもりです。「内容紹介…

クリ拾い (37) ──電人ザボーガー、GO ! ──

記事の性質上、当該作品の“ネタバレ”を含みますので、ご了承下さい。 映画「電人ザボーガー」を観ました。「特撮オペラ」と自ら銘打った通り、すばらしいエンターテインメントでした。いえ、さらに「特撮オペレッタ」「特撮新喜劇」というべきか(笑)。原典…

クリ拾い (36)

「たかじん胸いっぱい」888回5時間半生放送SP、山本太郎さんに大拍手! 生放送でよくぞ…と思いますが、編集不可の生であることが逆に奏功したともいえます。脱原発の考えについてカメラの前でこれほど澱みなく熱く多く語る彼には、確実に覚悟がありま…

クリ拾い (35)

俳優・竹脇無我の訃報に驚きました。和田浩治、大坂志郎、松山英太郎…、『大岡越前』出演者がまた一人故人となり…。僕の“「見る目」の育ての親”である大叔母の節子が、好きでした。加藤剛との、当時屈指の「二枚目」共演に、母と節子が毎週欠かさず見入って…

クリ拾い (34)

『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦ベリアル銀河帝国』 ──以下、記事の性格上、上記映画の「ネタばれ」を含みますのでご了承下さい。── 予想外なことに、なかなかおもしろかったのでした。少なくとも前作よりはいいと思います。 それにしても、3体の昭和…

クリ拾い (33)

「獣医ドリトル」(TVドラマ版) ──── ちゃんと現実を見なきゃダメだ。たくさんの癌が早期治療によって克服されている、という現実を。 ──── TVドラマ「獣医ドリトル」 第8話の台詞──記憶だけで書いていますのでこの通りではなかったかもしれません──。自分が…

クリ拾い (32)

『岩波科学ライブラリー132 ブックガイド 文庫で読む科学』 (岩波書店編集部編、2007年) ブックガイドのレビューというのも…。ガイドにある本を読んでそれをレビューせえよ、と自己ツッコミしつつ。 9人の自然科学者がそれぞれ、文庫で読める主に自然科学…

クリ拾い (31) ──映画『トイレット』──

──ネタバレ注意…と一応お断りするものの、すでに方々で書かれているネタのようです。── モーリーの台詞「欲求に理由を求めるのは無意味だ」が心に残りました。ピアノを弾くキャラクターである彼の言葉として示されたことにも意味がありますね。欲望と欲求は…

クリ拾い (30)

「アクターズ・スタジオ・インタビュー」について。ときどき見かけるこの番組、いつも思うのは、外国(アメリカのみ?)の俳優たちの答や話には含蓄・味わいがあるなあ、ということです。深く豊かな言葉を聞けることが多い。先述のブルック・シールズにして…

クリ拾い(29)

好きな言葉は?──「愛。」 嫌いな言葉は?──「嫉妬。」 好きな音は?──「わが子のいびき。」 嫌いな音は?──「音というか、人を貶める言葉。」 部屋の机の上を整理していると、「アクターズ・スタジオ・インタビュー~ブルック・シールズ 自らを語る~」を見…

クリ拾い (28)

C・ダグラス・ラミス『ガンジーの危険な平和憲法案』 (集英社新書、2009年) 8月の新刊。発行日に購入。「非暴力不服従」のガンジーを「独立の父」に持つインドが、どうしてまた核実験をやるのか、という素朴な疑問を抱きつつも、これまであまり深く考え…

クリ拾い (27)

先月に観た映画『MW(ムウ)』について。 ──本記事はその性質上、“ネタばれ”的な内容を含みますのでご了承下さい。── 沢木刑事役の石橋凌の演技・存在感がすばらしく、実に見応えがありました。007シリーズよろしき冒頭の追跡シーンからたいへん引き込まれ、…

クリ拾い (26)

シューチョのアーカイブ (6) ──1999.5.27「普通を超えて、好きなことに向きになろう」── 「TVチャンピオン TVヒーロー王選手権」(テレビ大阪)を途中から見ました。「大決勝戦」の出題形式は ── ウルトラ怪獣または仮面ライダーの怪人のソフビ人形20…

クリ拾い (25)

瀬戸一夫『科学的思考とは何だろうか』(ちくま新書、2004年) 「相対性理論を数式無しで説明する」という試みは、他にも多く行われているのでしょうか。僕は本書で初めてお目にかかりました。一読、なるほど丁寧とは思いましたが、やはり数式を用いた方がシ…

クリ拾い (24)

『ヤッターマン』のオープニング/エンディングの主題歌の話題に関連して、一つ思い出したのが『月光仮面』の主題歌のことです。50年代のモノクロ実写版の主題歌は有名で、まさに「誰もがみんな知っている」でしょう。ところが『月光仮面』は70年代前半にア…

クリ拾い (23)

──以下、映画『ヤッターマン』について多少の“ネタばれ”を含みますことをお断りしておきます。── 映画『ヤッターマン』を見ました。これは完全に大人向けのエンターテインメントです。もちろん、旧作オリジナルアニメーションの世界に親しい大人という限定に…

クリ拾い (22)

シューチョのアーカイブ (5) ──1999.1.13.「相撲プレイヤー若乃花(3)」── ============ 昨日は風邪でダウンしていましたが、そのおかげでリアルタイムで対出島戦での若乃花の「蹴返し」を見ることができました。いやあ、実にあざやかに決まりました。幕内で…

クリ拾い (21)

シューチョのアーカイブ (4) ──1998.5.30.「相撲プレイヤー若乃花(2)」── ============ 僕が若乃花のファンである理由は、「弟思いのやさしいおにいちゃん」という人柄がポイントなのではなく、あくまで相撲の内容が主です。彼の相撲には味がある。なぜか。…

クリ拾い (20)

シューチョのアーカイブ (3) ──1998.5.30.「相撲プレイヤー若乃花(1) 」── 今年の大相撲初場所は朝青龍の復活優勝で幕を閉じましたね。僕はどうしても朝青龍を好きにはなれませんが、彼へのバッシングはもっと嫌いです…。さて、シューチョのアーカイブ、今回…

クリ拾い (19)

山田太一脚本のドラマ『ありふれた奇跡』について。期待以上です。山田太一「最後の連続ドラマ」だそうです。いったん見始めると珠玉の台詞・場面が続き、一息もつけません。脚本自体はもちろん、1シーン、1アングル、その他演出のすべてが、たいへん濃い…

クリ拾い (18)

「事故米」(→注)問題について、焼酎の原料というので一応「かどや酒店」のページをチェックしてみました。わが愛する豊永蔵を含め、かどやの扱う蔵元の焼酎は問題ない旨が9月8日付記事で宣言されています。そりゃあそうでしょう。関連して9月11日付の記事…

クリ拾い (17)

「エンタの神様」を久しぶりに見かけましたが、あきれた光景を目の当たりにしました。 それは生徒会長金子のネタについてでして、大筋は 急に話の中に、はるな愛さんを登場させる。はるなさんが普段メディアに公開している程度のプロフィールを知っている客…

クリ拾い (16)

アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン 『知の欺瞞 ポストモダン思想における科学の濫用』 (田崎晴明、大野克嗣、堀茂樹…訳 岩波書店 2000年) まだ読み終えてはいませんが、いやはや、ラカンやクリスデヴァやイリガライの著書にこのような部分があったとは…

クリ拾い (15)

何かと話題になった平城遷都1300年祭キャラクターの名前が決まりましたね。 これを初めてニュース映像で見たとき、「お、なかなかオモロイのが出たもんだな」と思ったものでした。「コーベアー」とか「ひこにゃん」とかをどうでもよい・つまらんキャラクター…

クリ拾い (14)

竹内敏晴を何冊か読みました。 (1) 『ことばが劈かれるとき』(ちくま文庫、1988年) (2) 『待つしかない、か。 二十一世紀 身体と哲学』(春風社、2003年) (3) 『教師のためのからだとことば考』(ちくま学芸文庫、1999年) (4) 『話すということ(ドラマ…

クリ拾い (13)

新書における「~の品格」の流行。「品格」を書名に使って声高に主張すること、そういう本を量産販売すること、それが売れたからと他社や別の著者や同一の著者が追随すること、それらの需要が大きいこと…、何ともまあ、幾重にも品格に欠ける行為・状況であり…

クリ拾い (12)

リメイク版『ヤッターマン』の主題歌について、いろいろと言われているようです。僕は、音屋吉右衛門バージョンの主題歌の編曲と演奏自体は音楽として一定の質に達しているも、それとオープニング映像とが合っていないとは思いました。新版の映像に山本正之…

クリ拾い (11)

渡辺裕/増田聡ほか『クラシック音楽の政治学』(2005年、青弓社) 7人の著者による、「クラシック音楽」を社会学的に扱った論文集。つまり音楽の《内容》ではなくその《周縁》を論じています。 ここで採り上げるのは増田聡担当の第2章《「クラシック」に…