音楽の編み物

シューチョのブログ

わかる人、わかる時、わかる可能性

劇団でこじるしー 激闘!ハッピーファクトリー

2023年11月23日劇団でこじるしー 第13回公演激闘!ハッピーファクトリー 早ひと月ほど経ちました。2年ぶりの観劇に感激。 劇団でこじるしー を初めて観たのは、妖怪ナゼコが初?登場した年。「なぜと訊くな」「なぜと訊いたな〜!」の“大嵐!(椅子取りゲー…

阿満利麿『柳宗悦 美の菩薩』

阿満利麿『柳宗悦 美の菩薩』 (2019年、ちくま学芸文庫)──同名書(1987年、リブロポート)の文庫化── 『法然の衝撃』『親鸞・普遍への道』『日本人はなぜ無宗教なのか』等、著者の宗教論・仏教論にはいつもぐっと引き込まれ、熱い読書体験となったものです…

物理の本

ときおり、物理の本を無性に読みたくなります。 理工系の学部生向け教科書程度のものを選んで…といっても、通読できたものもあれば、拾い読みしただけのもの、初めの方で止まっているもの、などいろいろですし、読んでは忘れまた読んでは忘れ…という、一つの…

カイマナふぁみりー・タイキさん「故郷」

ギター1本による、しかも歌わない、つまり歌詞のない、「故郷」。 「歌わない」って、「歌唱はしない」という意味です。もちろんのこと、彼はギター独奏という器楽で「歌って」いるのです。 開始から数秒で引き込まれ、顔の奥からぐっと熱いものがこみ上げて…

岡本久『最大最小の物語』

岡本久『最大最小の物語 関数を通して自然の原理を理解する』(サイエンス社、2019年) 連続的な最大最小問題は微積分学と密接に結びついている.[……]最大最小問題は自然の原理を理解するために不可欠であるし,過去の多くの数学者が心血を注いで解決しよ…

『キネマ旬報』の『シン・ウルトラマン』特集

雑誌『キネマ旬報』最新号の『シン・ウルトラマン』特集に、斎藤工さんのインタビューが掲載されていました。 彼がシュタイナー学校に通っていたことは有名?で、以前から私も知っていましたが──映像の仕事をしていた父親が『ウルトラマンタロウ』の制作に関…

小平邦彦『怠け数学者の記』

小平邦彦『怠け数学者の記』(岩波現代文庫、2000年) 去年、『数の発明』という本が出ました。『ピダハン』の著者ダニエル・エヴェレットを父に持つケイレブ・エヴェレットの著作だとか。図書館で一度借りたもののほぼ未読のまま返却(頭掻)、そのため内容…

浅田美代子「赤い風船」幻想

浅田美代子「赤い風船」が出てきたとき、 浅田美代子は歌が下手だ というイメージがどこからも流布された。私の家族も「もうちょっと何とかならないか…」と苦笑しつつTVを見ていて、小学生の私自身もそのとき「よくこれで歌を出したなぁ」という印象を持った…

現代数学の難しさについて

数学セミナー9月号。特集「現代数学の難しさについて」には,思わず膝を打つことが書かれていました。 ──────── 私たちが数学に遭う際,1度目はえてして要領を得ず,[理解は2度目]以降となる。人に数学を説明すると「よく分かりました.前の先生はなぜこう説…

○塾 -わじゅく- にて (2) 宇野功芳本質論

しかし、作品のいのちは、演奏家の主観を通してしか出てこない、と僕は信ずる。──宇野功芳『名演奏のクラシック』(講談社現代新書,1990年,48頁)── フルトヴェングラーの項で出てくる上記の一文に,塾長が,「きょういく読書会」で披露した自分の哲学的視…

○塾 -わじゅく- にて (1) 射影幾何学

宇高幸治さんが塾長をなさっている「○塾 -わじゅく- 」の「すきなーのかたりーの」というイベントに参加。はからずも塾長とのサシ対談となり,大いに盛り上がりました。お互い話すこと聞くことに集中し過ぎ?写真などが無いのが残念。 思い出すままに,今回…

わかる人、わかる時、わかる可能性(2)

吹奏楽部顧問時代(1994─2009)の演奏会パンフレットより 1995年(ウェブ初公開は2006年9月) 「私の体は、私だけのものではない」─『ウルトラマン』最終回で、倒れた自分を迎えに来た故郷の星の仲間に向かってウルトラマンはこう告げます。そして、「自分が…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (4)

吹奏楽部顧問時代(1994─2009)の演奏会パンフレットより 1997年(ウェブ初公開は2006年11月) 本校の中学生たちにとって何より幸福なことの一つは、Y先生の伴奏で校歌を歌えることでしょう。各学期の始業式と終業式の度に、さらには入学式や卒業式で(この…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (5)

吹奏楽部顧問時代(1994─2009)の演奏会パンフレットより 1998年(ウェブ初公開は2006年9月) 大学受験浪人の時でした。当時通っていた予備校の英語講師・表三郎(おもてさぶろう)先生が、授業中に居眠りをしている受講生を見つけて言った言葉です。──「彼…

わかる人、わかる時、わかる可能性(6)

吹奏楽部顧問時代(1994─2009)の演奏会パンフレットより 1999年(ウェブ初公開は2006年10月) 指揮者とは何か。指揮活動とは何か。小学6年の運動会でのドラムメジャー(バトンとホイッスルで鼓笛隊の行進を率いる先導者)の経験にまでは遡らないとしても、…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (8)

吹奏楽部顧問時代(1994─2009)の演奏会パンフレットより 2001年(ウェブ初公開は2006年10月) 僕が吹奏楽部の彼女ら彼らと一緒に練習するとき、極力しないことが2つあります。「怒る」ことと「直す」ことです。しないようにしているというより、すっかりス…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (9)

吹奏楽部顧問時代(1994─2009)の演奏会パンフレットより 2002年(ウェブ初公開は2006年11月) ─── [……]子どものやっていることについて、一々一々実に気になって仕方のない方があります。子どものしていることの何とまずさよ、何とへまなことよ[……]それ…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (11)

吹奏楽部顧問時代(1994─2009)の演奏会パンフレットより 2004年(ウェブ初公開は2006年12月) 『ウルトラセブン』第26話「超兵器R1号」において、惑星1個を丸ごと消滅させるほど強力な爆弾R1号の実験が成功し、ウルトラ警備隊員たちは「これで地球の防…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (20)

吹奏楽部顧問時代(1994─2009)の演奏会パンフレットより 2008年4月 演出家の竹内敏晴さんは、若い時に耳の病気がだんだんわるくなり、聞こえない状態になって、その後また聴力を取り戻す、という過程を辿ったそうです。その独自の芸術論・教育論を最近知り…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (25)

吹奏楽部顧問時代(1994─2009)の演奏会パンフレットより 2009年5月 もう5~7年前になりますか、北海道女満別の小林研一郎指揮法講座に3回連続で参加したことがあります。先生のお弟子さん数人を除き、受講生のほとんどがアマチュアでした。初参加の年、…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (31)

「報道ステーション」で、古館伊知郎がスーパーコンピュータ「京」について コンピュータ界のウサイン・ボルト、とは言われていないかもしれませんが… と切り出していたのを、ふと懐かしい思いで聞きました。 1989年以降、F1人気がピークを迎えたとき、実…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (30)

「アメトーーク」の「勉強大好き芸人」のコーナーを少し見ました。笑い飯・哲夫が「最澄、空海」と「天台宗、真言宗」の対応の憶え方として、 頭文字の五十音の行に注目し、サ行同士の最澄と真言宗でペアかと思いきやそうではないから、これを「逆」とだけ憶…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (29)

さて、今回もそれ自体は期待通りおもしろかった高専ロボコンでしたが、全国大会のTV番組としての構成にはかなり不満です。特にBSの方は、当然全試合実況中継を期待したのですが、もろにダイジェスト編集版でした。いえ、放送時間の制約からもある程度のカ…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (28)

高専ロボコン2009全国大会、地上波通常版、BS全試合版ともに視聴。地区大会とは様相がだいぶ異なりますねえ。長岡「コメックス」、呉「7πRADIAN(7パイラジアン)」、岐阜「Spica(スピカ)」、一関「若さま」などなど、地区大会の映像ではふるわなかった…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (27)

高専ロボコン2009地区大会、九州・沖縄と四国以外もすべて視聴。 中国大会 優勝した広島商船A「新!!シンデレラの巻」のバク転ローリングジャンプが印象的でした。ロボコンというのは、団体競技といいますか、各校のA・Bともに数人~十数人の仲間で組織的…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (26)

高専ロボコン2009地区大会、九州・沖縄、四国の2つを見ました。今年は「ダンシングカップル」。二足歩行手動ロボット1体と多足歩行自動ロボット1体が、プレゼントの受け渡しとペアダンスの後、「ポールターン」「シンクロスピン」「リフト」「ローリング…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (25)

──2009年── もう5~7年前になりますか、北海道女満別の小林研一郎指揮法講座に3回連続で参加したことがあります。先生のお弟子さん数人を除き、受講生のほとんどがアマチュアでした。初参加の年、一際明快な指揮振りだった一人の受講生に注目、後に向こう…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (24)

高専ロボコン2008全国大会、ロボコン大賞は津山高専「キカイタイソウ」。津山高専は、2007年も力のあるロボットでしたが残念ながら地区大会決勝で敗退、リーダー?の彼が2007年と同じで見覚えがあったのです。おぉ、やはり今年もすごい、と思いました。変身…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (23)

高専ロボコン2008のテーマは「ROBO-EVOLUTION 生命大進化」。何やら大上段ですが、「車輪を使わず歩行によって進む」ということが柱となっていて、「歩き」「踊り」「変身」するロボットが繰り出されます。歩行というのはやはり技術的にはたいへん困難らしく…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (22)

「言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (33)」で、手拍子の話題を書いていて思い出したのが、数年前に書いた以下の拙文です。詳しい説明は省きますが、勤務先高校にも校内コンクールのようなものがありまして、その感想(批評)を書いた文章の一部とだけ言ってお…