音楽の編み物

シューチョのブログ

2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ひとりぼっちの宇宙人(9) I.2-2

第I章 ダンとセブンの二重性 2 ダンとセブンの異質性 2─2 本郷猛>仮面ライダー ~変身の二義性とヒーローのアイデンティティー、再論~ 包含型ヒーローにおける「変身論」 仮面ライダーは、ウルトラマンとともにTVヒーローの代名詞的存在である。かた…

ひとりぼっちの宇宙人(8) I.2-1

第 I 章 ダン=セブンの二重性 2 ダンとセブンの異質性 2─1 《ウルトラセブン》と《モロボシダン》 ウルトラ警備隊 『ウルトラセブン』の作品世界にとって、ウルトラ警備隊は欠かせない。警備隊あるいは地球防衛軍というものの存在自体も重要なことはもち…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (8)

2001年 毎年僕はこの原稿を、本文にタイトルと名前だけを添えて渡すのですが、できあがったパンフレットにはいつも「吹奏楽部顧問」という肩書きが付いてきます。そうに違いないのでしょうが、どうしても自分の名前に冠されるには不釣り合いに思えてなりませ…

ひとりぼっちの宇宙人(7) I.1-2

第I章 ダンとセブンの二重性 第1節 ダンとセブンの同一性 1─2 ウルトラマンとは誰か 郷秀樹の変身と不可解な最終回 別人型のアイデンティティ不明を示す最後の例として『帰ってきたウルトラマン』を挙げておく。郷秀樹─ウルトラマン(→注4)の変身は、彼…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (2)

暗譜と暗譜主義 (2) 第1章 さて、暗譜─置譜に関する、2人の往年の巨匠によるインタビューへの回答も有名ですね。 (聞き手:暗譜で指揮なさらないのですか?) 「スコアを前に置いて、邪魔に思ったことは一度もありませんからね。」 〜ブルーノ・ワルター…

ひとりぼっちの宇宙人(6) I.1-2

第I章 ダン=セブンの二重性 第1節 ダンとセブンの同一性 1-2 ウルトラマンとは誰か 光を継ぐもの 同一型か別人型か。次に、『ウルトラマン80』以来16年ぶりの1996年、ウルトラマン生誕30周年の年に放映された『ウルトラマンティガ』に焦点を当てよう。…

ひとりぼっちの宇宙人(5) I.1-2

第I章 ダン=セブンの二重性 第1節 ダンとセブンの同一性 1-2 ウルトラマンとは誰か ハヤタとは誰か さて、問題はこの名場面の直後なのだ。独立の命を授かり、ウルトラマンと分離したハヤタの開口一番の台詞は次の通りである。 ─── 「キャップ!あれで…

ひとりぼっちの宇宙人(4) I.1-2

第I章 ダン=セブンの二重性 第1節 ダンとセブンの同一性 1-2 ウルトラマンとは誰か ~変身の二義性とヒーローのアイデンティティー~ 以上のように、「ウルトラセブンとウルトラマンの相違」は「主観的純粋感動と客観的大義名分の相違」とまとめてよい…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (7)

2000年 吹奏楽部の彼女ら彼らと普段一緒に音楽をやっていると、正直、即刻中断して帰りたくなる程ひどい状態のときもありますが、調子のいいときは、確かにミューズの神が訪れたかのような豊かな響きの出ることがあります。こういう稀なる瞬間を彼女ら彼らと…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (6)

1999年 指揮者とは何か。指揮活動とは何か。小学6年の運動会でのドラムメジャー(バトンとホイッスルで鼓笛隊の行進を率いる先導者)の経験にまでは遡らないとしても、中学2年にピンクレディーの「UFO」を指揮したのがデビューとすれば、20年はやってい…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (1)

暗譜と暗譜主義 (1) ──「暗譜」の定義と造語「置譜(おきふ)」について── 本稿において「暗譜」とは「楽譜を前に置かないで演奏する場合」を指すことにします。これに対し、「楽譜を前に置き、それを見て演奏できる状況にあるような場合」を「置譜(おきふ…