音楽の編み物

シューチョのブログ

箕面高校OB吹奏楽団第10回記念演奏会を終えて (7)

「黄金の調和」創作秘話1

 

2022年末から2023年始にかけて「黄金の調和」吹奏楽版を書くことに集中、ようやく第1稿と言えるものに到達し、制作過程に一段落が付きました。

 

5番の決定稿のバッサリ感がすごいシベリウス🐰

 

1番を書き上げるのに20年以上を費やしたブラームス😌

 

弟子の言うことを聞いて(真に受けて)一度完成した曲を何度も改訂したブルックナー🐰

 

リンツ」を3日で書いたモーツァルト😮

 

リンツ」のスコアを写譜してみたら3日では終わらなかった😆という三枝成彰

 

──念のため。(昔どこかで読んだんですが出典不明事実とすれば)実際にこういうことをやってのける三枝さんもすごい。彼への敬意ももちろん込めています。──

 

など、異次元の作曲家たちに遠ーく思いを馳せつつの産みの苦しみ?の日々でした。

 

「黄金の調和」の字面を見て「あーぁ、そんなんあったねー」と思い出してもらえる方、ありがとうございます。旧作は管弦楽版で、こちらの初演─たいへん小さな発表機会でしたがそれでも“一般客が入った公演”─を果たせたのは懐かしい思い出です。

 

その管弦楽版の着想─完成から約25年。1つの「フーガ風幻想曲」“に過ぎなかった”?「黄金の調和」が、今回の吹奏楽版では、IIIIII IV4つの部分からなる、曲間を含めると演奏時間が10分を超える「交響組曲」に仕上がりました。「交響組曲」を冠するのはやや大げさで照れるも、同規模/類似様態の吹奏楽曲名として通用されているようなのでそう添えることにしました。いずれにせよ、長期の“寝かせ”を経ての発酵が、まさかこのような形に実ってくるとはまったく想像だにせず。

 

「黄金の調和」という曲名=愛称を外すことも考えたのですが、ユーモアこそ大事かとも思い、いまのところ残しています。今でこそ「ネスカフェ ダバダ」とかのキーワード検索一発で原曲を通して視聴できますが、着想当初の1990年代後半当時はまだ、幼少時にCMで実際に流れた旋律と伴奏の音型の聞き覚えだけが頼りでした。「目覚め」というタイトルも確か制作途中か完成後に知ったんだったかと。

 

今回の吹奏楽版の中では、II の部分が比較的独創度の高いものに仕上がったと思っています。が、もともとが八木正生「目覚め」へのオマージュであってゼロからの創造とは違いますし、加えて複数の箇所で(八木正生以外の)特定作曲家作品の既視感(どこかで聴いた感)があからさま過ぎる部分もあり気恥ずかしい限りです。ただ、単にそれ風にしたかったというだけでもなく、「目覚め」原主題の構造が自ずとそれを呼び寄せたという面が少なからずあります。