音楽の編み物

シューチョのブログ

言の葉と音の符 楽の譜は文の森

フェレイラのモーツァルトCl.協奏曲

カルロス・フェレイラのモーツァルトK.622。マルティン・フレスト以来の親近感。自分がパラレルワールドでCl.奏者になっていれば、両者の中間くらい?フレストみたいな動きでフェレイラのように吹いているかも。 持続音のふとした間の取り方、強弱のコントラ…

箕面高校OB吹奏楽団第10回記念演奏会を終えて (4)──舞台裏話の連載──

自分の指揮と吹奏の振り返りその4 平田智暁:ネストリアン・モニュメント 「マゼラン」同様、この曲も僕は 2nd Cl.と一部 Es Cl.の音符を(B管で)吹奏。マゼランほどはうまく吹けず、でもEs Cl.のSolo 部分などまずまず及第点か…?というところです。練習で…

箕面高校OB吹奏楽団第10回記念演奏会を終えて (3)

自分の指揮と吹奏の振り返りその3 「頭真っ白?!」 樽屋雅徳:マゼランの未知なる大陸への挑戦 後輩指揮者Oの、吹奏楽愛・邦人作曲家愛を熱く秘めつつの堅実な棒によって、観客/楽団にとって当日おそらく最も好評/好感触の曲になったと思います。ちょい悔…

箕面高校OB吹奏楽団第10回記念演奏会を終えて (2)

おかげさまで好評裏に終えることができた演奏会の、舞台裏話?の連載。 自分の指揮と吹奏の振り返りその2 馬飼野康二:愛されるより愛したい 結成30年の Kinki Kids の曲を何かやろうということになりました。そこで「ではぜひこれを♫」と言ったのは僕です。…

河上隆介指揮 セブンスターオーケストラ 第14回記念演奏会

プロコフィエフ:バレエ『ロメオとジュリエット』抜粋 「ロメオとジュリエット」(第1組曲第6曲) 弱音部も強奏のクライマックスも弦合奏に訴える力を感じ、後半のショスタコーヴィチの緩徐楽章への期待が膨らみました。 「タイボルトの死」(第1組曲第7曲)…

箕面高校OB吹奏楽団第10回記念演奏会を終えて (1)

おかげさまで好評裏に終えることができた演奏会の、舞台裏話?連載開始(笑)。 まず(1) からの数回で、自分の指揮と吹奏を振り返っておこうと思います。 0. フランク・エリクソン:アリア1. アルフレッド・リード:ジュビラント序曲 「アリア」はプログラム…

3年ぶりの吹奏楽指揮の本番-1-

箕面高校OB吹奏楽団の演奏会まで、あと1か月弱となりました。 1月に第1稿が仕上がったとお知らせしていた拙作「黄金の調和」も、あれから第2稿A、B、C1、C2、…と改訂を重ねようやく決定稿「第2稿D2」に至りました。 プログラム掲載の7曲をお知らせしておきま…

トリカード・ムジーカの集い ─2022年7月─

弦4部、Cl.1、Hr.2、Tp.3、Pf.、指揮者の12人による先月のトリカード・ムジーカ。写真は、集いの様子は撮らなかったので代わりに演奏曲の総譜を。 現トリカード・ムジーカの編成には特に音のすこぶる良い“ホーム”のホールに場所が戻った上に、史上初めてトラ…

追悼・渡辺宙明 (1)

ご長寿で、現役でご活躍だっただけに喪失感が大きいですね…。ご冥福をお祈り申し上げます。 残された膨大なお仕事…熱い主題歌/音楽の数々に思いを馳せつつ、そのいくつかについて、書いておきたいと思います。 まずは自分の素の思い出から2曲。何と言っても…

カイマナふぁみりー・タイキさん「故郷」

ギター1本による、しかも歌わない、つまり歌詞のない、「故郷」。 「歌わない」って、「歌唱はしない」という意味です。もちろんのこと、彼はギター独奏という器楽で「歌って」いるのです。 開始から数秒で引き込まれ、顔の奥からぐっと熱いものがこみ上げて…

ワンダ・ランドフスカのバッハ、モーツァルト

ワンダ・ランドフスカ。先日ふと,Youtubeの「平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番の聴き比べ」という動画で知って、驚き。すっかり魅了されました。通のみなさんには「知らんかったんかい!」とつっこまれそうですが(頭掻)…さっそく入手。オーケストラと違…

甘い生活(野口五郎)

三連連唱の調べ[第8回](短調編) [07] 甘い生活☆☆☆☆(山上路夫/筒美京平、野口五郎) https://www.youtube.com/watch?v=AvIpuUdS0iQ 「甘い生活」は前回の「池上線」と非常に似ていて、特に歌い出しアウフタクトからの4拍の旋律線はほとんど同じです。そ…

池上線 ─後ろ姿を追うアウフタクト単連唱─

三連連唱の調べ[第7回] [06] 池上線☆☆☆☆(佐藤順英/西島三重子、西島三重子) 実は、本連載を始めるきっかけとなったのが「池上線」でした。確か、「地底のランナー」(注1)をYoutubeで視聴した際に横のリストに挙がってきたのだったと思います。 注1…キ…

話してよ、話してよ。─岡崎友紀─

三連連唱の調べ[第6回] ☆☆☆☆(拍頭連唱歌、切分連唱歌)拍頭単連唱または拍頭複連唱を多く含むもの。長さ10以上の連唱を含むもの。切分連唱や切分準連唱を多く含むもの。 [04] 氷雨☆☆☆☆(とまりれん、佳山明夫)[05] 想い出まくら☆☆☆☆(小坂恭子) 強拍か…

僕にまかせてください ─流麗な多連唱─

三連連唱の調べ[第5回] 短調編 (3) 僕にまかせてください [03] 僕にまかせてください☆☆☆☆☆(さだまさし、クラフト) さだまさしのグレープ時代の提供曲の佳作。婚約相手の母親の墓に参る歌。相手を失う「精霊流し」よりはまだしも明るい歌といえます…。歌…

三連連唱の調べ[第3回]

短調編 (1) 津軽海峡・冬景色 では、いよいよ三連連唱歌の紹介と解説に移ります。今回からしばらくは「短調編」をお届けします。 ☆印を付けて五段階に分け、☆の多い順に挙げていきます。あくまで私の主観に基づいて、“連唱の度合い”が高いものほど☆を多く付…

三連連唱の調べ[第2回]

──本稿(「三連連唱の調べ」全回全文)を亡き父に捧げる。── 定義集 以下のすべてにおいて,k,nは正の整数(1,2,3,……)とする。 (1) 「拍節音価」および「単位音価概念」「旋律中のどの長さが1拍の長さであるか」については,本稿で扱う曲ではすべて「聴…

三連連唱の調べ[第1回]序説

日本のいわゆる歌謡曲─ポップスについて、その1拍の音符の音価を仮に4分音符に統一することにしましょう(実際の楽譜もほとんどがそうだろうと予測します)。すると、基本となるリズムについて、1拍中に入る8分音符が2つではなく3つ、すなわち三連符であるよ…

浅田美代子「赤い風船」幻想

浅田美代子「赤い風船」が出てきたとき、 浅田美代子は歌が下手だ というイメージがどこからも流布された。私の家族も「もうちょっと何とかならないか…」と苦笑しつつTVを見ていて、小学生の私自身もそのとき「よくこれで歌を出したなぁ」という印象を持った…

ブルーノ・ワルター『音楽と演奏』(渡辺健 訳、音楽之友社、2013年新装復刊)

『主題と変奏』『ブルーノ・ワルターの手紙』と並ぶ、ワルター三大翻訳書の一つ。大学生の頃、『音楽と演奏』だけが長らく品切となっていました。確か大学の図書館などにも見当たらず…。で、そうなると、『変奏』『手紙』を読み終えていたわけでもないのに、…

ベッツィ&クリス『THE BEST OF BETSY & CHRIS』

「白い色は恋人の色」が出た1969年から6年経った小学4年生の頃、歌い出しである「花びらの白い色は、恋人の色…」の一節をラジオか何かで聞いて(か、ただふと思い出してか)「いいな、でも何だか能天気で物足りないな」と感じた記憶があります。何とも生意気…

Mr.ユニット『DIALOG あの時君に言えなかった台詞』

浅見昴生、新沢としひこのデュオ。 新沢としひこさん(おどけている方(笑))は、「世界中の子供たちが」や、つるの剛士さんもカバーした「にじ」などの作者でもあるシンガーソングライター。ソロ活動の方が圧倒的に長く、アルバムはたくさん出ていて、「バ…

ピーター、ポール&マリー『CARY IT ON』

小学校4年の頃から、60年代アメリカのプロテストソングにすっかりなじんでいました。父・小西岳のエスペラント訳の歌集をエスペラント関連の例会や合宿について行ったときに歌う──うたごえ運動の名残り?──ことで入門したのでした。ですから英語の原歌詞より…

S59・10・30 宇野功芳 幻のコンサート

====== やや硬質ではあるが、石橋メモリアルは響の美しいホールである。そして、その美しさは、皮肉なことに、客席に人がいないとき、天国的なまでの透明度に達する。「いっそ、お客を入れないでリサイタルをやろうか」「文字通り“幻のコンサート”になります…

『ワルター/音楽を語る フランス国立放送管弦楽団とともに』

『ワルター/音楽を語る』は、フランス国立放送soとのライブを収録した上に、ライナーノーツには生前のワルターと文通を果たした宇野功芳先生の長い解説、そして文字通り音楽を語るワルターの肉声が刻まれた盤も含む、ファン垂涎のセット。 高1の秋でしたか…

さだまさし『夢供養(ゆめくよう)』

小6当時、「勝手にしやがれ」や「愛のメモリー」を歌いまくるような歌謡曲少年だった私でしたが、「雨やどり」が出たのを知ると、そのコミカルな世界に魅せられ、さっそくシングル盤を買って(だったか、友人に借りたんだったか)聴き込みました。観客のウ…

カルロス・パイタの「英雄の生涯」

カルロス・パイタ、昔から名前だけは聞き覚えがありましたが、演奏を知ったのはネットで“拾い聴き”ができるようになった最近から(苦笑)。いやいやどうして、あなどれません。 ドヴォルザーク後期3交響曲(特に7番)なども素晴らしいのですが、この「英雄の…

シフのベートーヴェン

サー・アンドラーシュ・シフ&カペラ・アンドレア・バルカによる、ベートーヴェンPf協奏曲全曲演奏会。1日目は2、3、4番、2日目は1、5番。 無限のニュアンスに満ちた自在な表現。少人数のオーケストラが、そのシフに、ついていくというより、微笑んで苦もな…

ワルターのモーツァルト(1)

よーうやくSACD化されたワルターのステレオシリーズ。 モーツァルト&ハイドンのセットが今日届きました。 「これをまず聴こう」とふと思って、フランチェスカッティとのコンチェルトをかけたら、音場の近さにびっくり。オーケストラのVn.の細やかな節回し。…

フルトヴェングラーのベートーヴェン(1)

ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 GLAND SLUMレーベルのオープンリールによる復刻シリーズ、ワルター以外にフルトヴェングラーにも手を染めています。「…モノーラルと…