音楽の編み物

シューチョのブログ

言の葉と音の符 楽の譜は文の森

ワルターのドヴォルザーク (1)

ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88 ブルーノ・ワルター/コロンビア交響楽団 オーディオの買替やセッティング変更をしたときは、いつもこの第3楽章をレファレンスとして再生してきました。 勢いのよいテンポ感とチャーミングな節回し、瑞々しいコロン…

音楽テーゼ集

新カテゴリー「音楽テーゼ集」を開始しました。 一つの文(主として英語構文でいう第2文型の文)=テーゼを冒頭に掲げ、それについて後に説明を加える、というスタイルで書くことを原則としているので「テーゼ集」と称しています。 旧ブログで公開していた「…

河上隆介指揮セブンスター・オーケストラ第10回記念演奏会

2年ぶりに、セブンスター・オーケストラ演奏会に足を運ぶことができました。今年は第10回記念演奏会ということで、ローマの謝肉祭、牧神の午後への前奏曲、ラ・ヴァルス、幻想交響曲の4曲という、欲張りなプログラム。 指揮棒を持たない素手のスタイルで河上…

「楽藝の会」プログラム

2018年6月23日(土)「楽藝の会」プログラム(テキスト版) ──第1ページ── ・過去の演奏曲目 さだまさし/小西収編曲:「北の国から」器楽合奏版 ブラームス/小西収編曲:ハイドンの主題による変奏曲 ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調作品21より第2, 4楽…

トリカード・ムジーカ「楽藝の会」

去る6月23日,箕面市立西南生涯学習センターのホールにて,約2年ぶりの公演=トリカード・ムジーカ「楽藝の会(がくげいのかい)」を行いました。初の単独公演でもありました。 以下に挙げたリーフレットの拙文にも書いたような「トリカード・ムジーカ」「楽…

○塾 -わじゅく- にて (2) 宇野功芳本質論

しかし、作品のいのちは、演奏家の主観を通してしか出てこない、と僕は信ずる。──宇野功芳『名演奏のクラシック』(講談社現代新書,1990年,48頁)── フルトヴェングラーの項で出てくる上記の一文に,塾長が,「きょういく読書会」で披露した自分の哲学的視…

子門真人──日本ポピュラー歌謡史上最大の名歌手

この人について書きたいとずっと思ってきました。 今やほとんど音源からしか接することのできないこの人の歌を、映像付きで鑑賞できるとは。しかもそれがCSなどではなく地上波で放送されるとは。 「料理天国」なら毎週見ていたはずですが、さすがに再放送に…

楽の譜,音の符

NHK-FMベストオブクラシックで山田和樹/バーミンガムso.のベートーヴェン第7をやるというので,エアチェックしておこうかというところ,Mac周りのセッティングを普段と変えていた(のを忘れていた)ため間に合わず,それなら放送のリアルタイム(1年前の録…

恩師追悼

宇野功芳先生が旅立たれました。 高校からの親友がネットのニュースを見てすぐメールで知らせてくれたので,報じられた日には知ってはいました。ここ数日,ごく普通の日常を過ごすことはできても,ふとこの消し難い事実を思い出しては,先生にもう会えないと…

2016Vpo.ニューイヤーコンサート

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 今年のウィーン・フィル/ニューイヤーコンサートを録画で数曲視聴、マリス・ヤンソンス、やはりなかなかよいと思いました。 ヤンソンスの初登場は2006年で(そうか、もうちょうど10年前でしたか…)、そのときも有意味で張り…

松村禎三のオペラ『沈黙』放送

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 9月27日(日)深夜24時20分(28日(月)0時20分)からのNHKBSプレミアム「プレミアムシアター」は、松村禎三のオペラ『沈黙』。今回放送されるのは今年6月に行われた公演のようで、それがあったことを最近になって知り、情報…

アンドレアス・シュタイアーのモーツァルト

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (44) 2009年11月 ──本記事は、シュタイアーのモーツァルトのCDについて、ネタバレ的内容を含みます。本盤はすでに最新の新譜ではないとは思いますが、一応お断りしておきます。── アンドレアス・シュタイアーのモーツァルト…

三田にて

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (57) 2014年3月 レンタカーを借り,三田プレミアムアウトレットに繰り出そうとしたのですが、中国道の出口を間違えて「神戸三田 IC」よりも 手前の「西宮北 有馬 三田 IC」で降りてしまい(紛らわしいなあ)、それならいっそ…

ベームの名演奏

言の葉と音の符、楽の譜は文の森(34) 2009年1月 シューチョのアーカイブ(1) ──1999.1.25.「ベームの名演奏」── 2009年が明けました。今年もよろしくお願いします。 僕には「眠らせたままではもったいない未発表原稿」がまあまあ多数ありまして(笑)、この場…

厚化粧に隠された涙─ゲルギエフの芸術─

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (35) 2009年1月 シューチョのアーカイブ (2) ──1998.12.14.「厚化粧に隠された涙─ゲルギエフの芸術─」── 「アーカイブ」第2弾です。ワレリー・ゲルギエフ&マリインスキー劇場管弦楽団の1998年大阪公演について書いた文章で…

追悼 松村禎三

言の葉と音の符、楽の譜は文の森(17) 2007年8月 8月6日、作曲家の松村禎三氏が亡くなりました。享年78歳。 僕の先輩で、東京芸大の作曲科に進み、松村氏の直弟子になった人がいます。Hさんとしましょう。今日、ノンプロ指揮者小西収があるのは、このHさん…

エリック・ハイドシェック ピアノ・リサイタル

言の葉と音の符、楽の譜は文の森(42) 2009年9月 サンケイホールブリーゼにてエリック・ハイドシェックを聴きました。 本割りは ハイドン:ピアノソナタ第59番 シューマン:「子どもの情景」 休 憩 ハイドシェック:5つのプレリュード ドビュッシー:「子ど…

梯剛之 ピアノ・リサイタル

言の葉と音の符、楽の譜は文の森(40) 2009年5月 宝塚ベガホールで梯剛之リサイタルを聴きました。 梯のピアノは、実演が聴けることを心待ちにしながらも、数年前高槻など近くへ来たときも日が合わず、ようやく聴ける機会に恵まれました。エリーゼ、七つのバ…

鶴見俊輔『限界芸術論』

言の葉と音の符、楽の譜は文の森(41) 2009年8月 鳥取の「こぶし館」に「島田文庫」というのがあります。その書棚に鶴見俊輔『限界芸術論』の初版第1刷を見つけました。 有名な本なので存在と名前は知っていました。おそらく、ちくま学芸文庫版が出たときに…

音楽の情熱的本質

言の葉と音の符、楽の譜は文の森(47) 2010年6月 『美の中の対称性 数学からみる自然と芸術』(新井朝雄 日本評論社 2009年)の第6章「音楽の基礎数理と対称性」冒頭で、著者は、ライプニッツの「音楽は魂が自ら行うひそかな数学的実践である」との言葉を引…

作品のスタイルと演奏のスタイル (1)

メンデルスゾーンやシューマンの辺りが、自分にちょうどいいのではないかと思うことがあります。いわゆる前期ロマン派で、でも、シューベルトではちょっと手前過ぎる、という。文字通りロマン的でありながら、古典の運びを残しているので、造型しやすい。 マ…

作品のスタイルと演奏のスタイル (2)

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (10) 2007年1月 ──以下は、「椿姫」の具体論ではなく、一般論としてお読み頂ければ幸いです。僕は「椿姫」については全く不勉強ですし、手もとに資料もありません。例えば「咳」について、全くの大野の独創なのかそれとも台…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (62)        ドヴォルザークはお好き

何であれ,“通”の視点というものはありますね。交響曲でいうと, ブルックナー第4 シベリウス第2 ショスタコーヴィチ第5 といった「それだけを聴いていたのではとうていその作曲家の真価はわからないぞ,という。 私自身はというと,上記の例では,ブルッ…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (61)        チョン・ミョンフン&フランス放送po.「悲愴」

本日のNHK-FM「ベストオブクラシック」。チョン・ミョンフン指揮フランス放送フィルハーモニー管弦楽団のチャイコフスキー「悲愴」。いやあすばらしい!どうしたチョン・ミョンフン。やるじゃないか。21世紀、芸術音楽演奏史的にはとうに冬枯れの時代かと思…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (60)

以下は(「タッチ」の項の一部を除き)、そのほとんどを、クリス・ハートの1枚目のカバーアルバム「Heart Song」の発売・購入直後に書いたものです。少々筆が滑り過ぎている箇所が散見するので発表を控えていました。でも、当ブログで小田や桑田のそれぞれわ…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (59)

今月と来月に渡り,3度の本番を控えています。それぞれはごく短時間ではあれど,ふと振り返ってみるに,おぉ,本番に乗るという点においてならば,これはこれまでのノンプロ音楽家人生の中で最も密なスケジュールではないか(笑)。 (1) ブラームス:交響曲…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (58)

昨今、YouTubeやCS放送のおかげもあり、歌謡曲やいわゆる「J-Pop」の、優れた同曲異演(異唱)(いわゆる「カヴァー」)の恩恵に容易くあずかることができますね。 中でも魅かれるのは、林あさ美さんのものです。 林あさ美さんは、その美貌から「演歌界のア…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (57)

レンタカーを借り,三田プレミアムアウトレットに繰り出そうとしたのですが、中国道の出口を間違えて「神戸三田 IC」よりも 手前の「西宮北 有馬 三田 IC」で降りてしまい(紛らわしいなあ)、それならいっそ「三田屋」で昼食にしようかということに。外食で…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (56)

チャンネルNECOで『レッドマン』が“再”放送されています。誰が見るのか(笑)。僕のような人間ですね。怪獣おじさんの出演・健在ぶりには嬉しい驚き。#19の並行企画コーナーで,映画『電人ザボーガー』で主題歌をカバーした高野二郎さんが,『レッドマン』主…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (55)

NHKネットラジオ「らじるらじる」で大阪でもNHK-FMが聴けることを昨日まで知りませんでした。どうやら5月下旬から聴けるようになっていたそうですね。「2013年末まで試行」って,それ以降は止める可能性もあるのでしょうか。「本格運用の前」という意味だと…