言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (59)
今月と来月に渡り,3度の本番を控えています。それぞれはごく短時間ではあれど,ふと振り返ってみるに,おぉ,本番に乗るという点においてならば,これはこれまでのノンプロ音楽家人生の中で最も密なスケジュールではないか(笑)。
(1) ブラームス:交響曲第3番第2楽章(今回は10人未満のアンサンブル)
(3) ローズ:32の練習曲より第7番,第9番
(1) のみ“吹き振り”。10人未満で交響曲とは,トリカード・ムジーカ(“音楽の編み物”)ならではの演目。
(3) は,クラリネット奏者なら知らない人はいない曲目です。勤務先での毎年恒例の,音楽科主催の校内コンサートに初出演。教員の独奏はおそらく史上初です。基本“出たがり”なんでしょう。そう揶揄されても否定しません。
この中では楽器演奏ということに絞ればやはり (1) や (3) よりも (2) に,より準備が必要なのはおわかりかと。先月,ロングトーンからまじめに時間をかけたのですが,これが仇となり(笑),いざ曲をさらう段になってアンブシュアがヘロヘロになり,一楽章の半分以下しか口が持たず,かなり焦りました。その後,何回かスタジオ練習を重ねるうち,幸い体の方が思い出してくれ,少なくとも今回の曲目の通し演奏2回分くらいは持続するようになり,ピアニストとの初合わせでも何とか吹ききれる手応えを得ることができ,ほっとしています。
こうして書いてみると,やはり自信の度合いが高いのは指揮をする (1) ですね。指揮者として舞台に立つときは緊張したことがついぞありません。楽器演奏となるとさすがに指揮よりは緊張するでしょう。(2) はもちろん,(3) の(何でもないといえばいえそうな?)エチュードでさえ,ちょっとビビるかも(笑)。しかし,それがまたたのしみでもあります。