音楽の編み物

シューチョのブログ

2008-01-01から1年間の記事一覧

わかる人、わかる時、わかる可能性 (23)

高専ロボコン2008のテーマは「ROBO-EVOLUTION 生命大進化」。何やら大上段ですが、「車輪を使わず歩行によって進む」ということが柱となっていて、「歩き」「踊り」「変身」するロボットが繰り出されます。歩行というのはやはり技術的にはたいへん困難らしく…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (22)

「言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (33)」で、手拍子の話題を書いていて思い出したのが、数年前に書いた以下の拙文です。詳しい説明は省きますが、勤務先高校にも校内コンクールのようなものがありまして、その感想(批評)を書いた文章の一部とだけ言ってお…

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (33)

合唱コンクール関連の、これは再放送でしょうか、アンジェラ・アキ作曲の課題曲「手紙」を2人だけの女声の合唱部員で歌う、というのをやっていました。 編成を各団体が自らのお家事情に合わせてしまう、という、これも「アマチュア」的発想の典型です。その…

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (32)

京都シンフォニカによる歌劇『蝶々夫人』を観ました。演出・芝居があるものの、オーケストラはピットではなく舞台上に配置、歌手たちは、その前後周辺および弦合奏と管打楽器の間に設けられたアーチ状の通路を行き来しながら芝居と歌を見せる、というもので…

クリ拾い (18)

「事故米」(→注)問題について、焼酎の原料というので一応「かどや酒店」のページをチェックしてみました。わが愛する豊永蔵を含め、かどやの扱う蔵元の焼酎は問題ない旨が9月8日付記事で宣言されています。そりゃあそうでしょう。関連して9月11日付の記事…

クリ拾い (17)

「エンタの神様」を久しぶりに見かけましたが、あきれた光景を目の当たりにしました。 それは生徒会長金子のネタについてでして、大筋は 急に話の中に、はるな愛さんを登場させる。はるなさんが普段メディアに公開している程度のプロフィールを知っている客…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (21)

オリンピックについて、無視すればよいものを、どうにも辟易する気持ちを抑えきれませんで、いくつか書きます。もちろん、北京には行っておらず(笑)、TVを通じて見ましたので、TV・メディア・報道についての問題点をいくつか。 第一。「解説者」の絶叫は何…

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (31)

「ミューズの晩餐」(テレビ東京系)に半田健人さんが出演、いつもながら自信に満ちて歌謡曲論、阿久悠論を披露、「みずいろの手紙」や「ジョニィへの伝言」の歌詞を分析していました。ジョニィという名で始まる具体性が優れているという点を指摘した際、MC…

ひとりぼっちの宇宙人 (37)

第 III 章 短編SFとしての『ウルトラセブン』 第43話「第四惑星の悪夢」(2) ──地球のパラレルワールドとしての第四惑星。そこはロボットが人間を支配する恐るべき世界だった。機械文明に手を初めた人間がすべてを機械に委ねるうち、人間はすっかり怠惰にな…

ひとりぼっちの宇宙人 (36)

第 III 章 短編SFとしての『ウルトラセブン』 第43話「第四惑星の悪夢」(1) 『ウルトラセブン』全挿話中、実相寺昭雄監督によるものは4本ある。「狙われた街」「遊星より愛をこめて」「円盤が来た」および本挿話である。この中では「狙われた街」の人気が…

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (30)

フロイントのYさんのおすすめで、Ob.のインゴ・ゴリツキ、Tp.のヴォルフガング・バウアを迎えた、Ob.河野正孝と大阪チェンバーオーケストラの演奏会を聴きました。ほとんど初めて聴く曲ばかりでしたが、他の曲での既知感があるアルビノーニやテレマンよりも…

ひとりぼっちの宇宙人 (35)

第 IV 章 ダン=セブンという多面体 (2) 2 人間としてのモロボシダン 第38話「勇気ある戦い」 『ウルトラセブン』全編中、最も異色の挿話といってよい。また、そのストーリー展開は、残念ながらお世辞にもうまく行っているとは言い難いが、今はそのことには…

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (29)

ピアニスターHIROSHIのライブに行ってきました。彼の「実演」を聴くのはこれで2度めです(笑)。何でまた…と思われるでしょうか。しかし、彼はなかなかすごい。いわゆる「冗談音楽」に分類されるのでしょうが、その華麗なテクニックは半端ではなく、それに…

クリ拾い (16)

アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン 『知の欺瞞 ポストモダン思想における科学の濫用』 (田崎晴明、大野克嗣、堀茂樹…訳 岩波書店 2000年) まだ読み終えてはいませんが、いやはや、ラカンやクリスデヴァやイリガライの著書にこのような部分があったとは…

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (27) ─FM大阪出演[3]─

「宇野功芳の音楽夜話」5月の第3週分について書きます。 今回の話題は昨年亡くなった作曲家・松村禎三についてでした。ピアノ協奏曲第1番と交響曲(第1番)がかかりました。松村の音楽について熱く語りたかったのですが、自分としては少々不完全燃焼の自…

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (26) ─FM大阪出演[2]─

「宇野功芳の音楽夜話」5月の第2週分が放送されました。FM大阪の電波が届く地域のみなさんにアンサンブル・フロイントの演奏が届きました。 アンサンブル・フロイント結成以来、苦節15年(?笑)、このような時がやって来ようとは、やはり感慨深いものがあ…

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (25) ─FM大阪出演[1]─

「宇野功芳の音楽夜話」5月の第1週分が放送されました。FM大阪の電波が届く地域のみなさま、シューチョの声を聴いてくれましたか。あと3回あります。次回の放送は5月11日(日)深夜24時。アンサンブルフロイントの音源の放送が予定されている目玉の回です。…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (20)

2008年 演出家の竹内敏晴さんは、若い時に耳の病気がだんだんわるくなり、聞こえない状態になって、その後また聴力を取り戻す、という過程を辿ったそうです。その独自の芸術論・教育論を最近知り、惹かれました。 ───── 突然、音楽がサァーッと流れこんでき…

クリ拾い (15)

何かと話題になった平城遷都1300年祭キャラクターの名前が決まりましたね。 これを初めてニュース映像で見たとき、「お、なかなかオモロイのが出たもんだな」と思ったものでした。「コーベアー」とか「ひこにゃん」とかをどうでもよい・つまらんキャラクター…

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (24) ─FM大阪出演[0]─

ノンプロ指揮者・シューチョの放送メディアデビュー?がいよいよ近づいて参りましたのでお知らせします。FM大阪の「宇野功芳の音楽夜話」に、5月4日(日)、11日(日)、18日(日)、25日(日)の4回にわたってゲスト出演します。番組は深夜24時スタートの1時間枠、…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (23)

チョン・ミョンフン/N響のブルックナー第7。「ブルックナーが名声を得た出世作」「編成も非常に大きい大作」と、こういう本質を外した解説には、通なら首を傾げるし、かといって初心者向きかというとそれも疑問です。無い方がまし。しかしいずれにせよ全楽…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (22)

合唱コンクール課題曲の番組について、つづきです。 ──と思っていたら、次に同じ曲の女声版の模範演奏。指揮者が変わりました。別々にやるか?曲は同じちゃうのん、と思いつつも見ると、指揮の野本立人氏は、混声の指導者よりはずっとまともなことを言います…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (21)

某放送局の合唱コンクール課題曲を紹介する番組をやっています。中学校の部のための「手紙」という歌の混声合唱版の模範演奏をやっています。 指揮者(指導者)は、この曲を演奏するのに一番大切なことは「本気で歌う」ことだと言います。こけますね。本気で…

クリ拾い (14)

竹内敏晴を何冊か読みました。 (1) 『ことばが劈かれるとき』(ちくま文庫、1988年) (2) 『待つしかない、か。 二十一世紀 身体と哲学』(春風社、2003年) (3) 『教師のためのからだとことば考』(ちくま学芸文庫、1999年) (4) 『話すということ(ドラマ…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (19)

前回のつづきです。 芸術点が設けられた第10回・第11回のVTRの視聴の後、山田氏はロボコンを「フィギュア部門とアスリート部門に分けること」を提唱します。まあ、番組の流れに沿っただけで特に深く考えもせず述べたのでしょうが、そういう発想がロボコンの…

クリ拾い (13)

新書における「~の品格」の流行。「品格」を書名に使って声高に主張すること、そういう本を量産販売すること、それが売れたからと他社や別の著者や同一の著者が追随すること、それらの需要が大きいこと…、何ともまあ、幾重にも品格に欠ける行為・状況であり…

クリ拾い (12)

リメイク版『ヤッターマン』の主題歌について、いろいろと言われているようです。僕は、音屋吉右衛門バージョンの主題歌の編曲と演奏自体は音楽として一定の質に達しているも、それとオープニング映像とが合っていないとは思いました。新版の映像に山本正之…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (18)

まだまだ、高専ロボコンについてです。 ロボコン20年を記念する特別番組「ロボコン大百科」の冒頭、アナウンサーの「ロボコンの魅力は、一言で言うと…」という質問に、ゲストの山田五郎氏は次のように答えました。 「一言で言いますと、ロボコンとは理科系の…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (17)

他のロボットについても少し触れておきます。東海北陸地区大会における豊田高専(B)「騎槍展開」は、豊田お得意の蛇腹を地面に這わせるタイプ。率直に言って、豊田のロボットはどうも気に入りません。鉄壁の守備といえば聞こえはいいのでしょうが、相手を妨害…

わかる人、わかる時、わかる可能性 (16)

高専ロボコンには、勝敗に関わる「優勝」「準優勝」のほかにもたくさんの賞があり、なかでも、「ロボコン大賞」は、その年の大会で最もすぐれたロボットに与えられる栄誉です。サレジオ高専のサイトのリンクを辿った人はおわかりでしょうが、「二戦錬馬」は…