2006-01-01から1年間の記事一覧
第 II 章 ダン=セブンという多面体 2 セブンであることを知られるダン 第9話「アンドロイド0指令」(2) ウルトラセブンが実はモロボシダンの変身した姿であること。これは他の登場人物たちの誰も知らない、重大な秘密である。この「変身(正体)の秘密」は…
音楽作品という多様体の表現論 (2) ノリントンのマーラー第5のアダージェットを聴きました。確かに「ピュアな響き」ですね。途中でどうにも飽き足りなくなったのでワルター/ニューヨークフィルに切り替え。こちらは最後まで聴きました。次にアンサンブルフ…
第 II 章 ダン=セブンという多面体 2 セブンであることを知られるダン 第9話「アンドロイド0指令」(1) 冒頭のシーン。金髪で金色の衣装を身にまとった謎の女が道路の真ん中に現れ、フルハシの運転するパトロール中のポインターの進路を遮る。 ─── 「ウル…
──2005年には僕の文章は掲載されませんでした。── 2006年 ─── 作品のもつ熱気・優美・憂愁・情熱を効果あらしめるには、演奏者自身の熱気・優美・憂愁・情熱をもってするほかに、いったいどうしたらよいであろうか? ───(ブルーノ・ワルター 渡辺健(訳)『…
第 II 章 ダン=セブンという多面体 5 悲劇の宇宙人/宇宙怪獣 第6話「ダーク・ゾーン」(2) ウルトラホーク1号が出動するも、搭載の爆弾ではペガッサ市を破壊できないと分かり、新爆弾を載せて後から出た爆撃艇に爆破をまかせることになった。代わりに、ホ…
音楽作品という多様体の表現論 (1) 「作品の解釈」について、爆笑問題の太田光は、次のように述べます。 ─── 太田 [……]少し前に僕は、テリー・ギリアムという映画監督と対談をしました。ギリアムの『フィッシャー・キング』という作品が好きで、あるシーン…
第 II 章 ダン=セブンという多面体 5 悲劇の宇宙人/宇宙怪獣 第6話「ダーク・ゾーン」(1) 本稿で,「ペガッサ星人」とは,ペガッサ市内にいるだろうペガッサ星人の集団/総体ではなく,地球に飛来した単体=ダーク・ゾーンの主を指すものとする。集団/総…
暗譜と暗譜主義 (6) 第2章 先々月でしたか、全国学校音楽コンクールの特集番組の中で、ある合唱指導者が子どもたちの合唱を数分間指導するというコーナーがありました。曲目はV6の「WAになっておどろう」(長万部太郎作詞作曲)。その指導法についてもツッ…
第 II 章 ダン=セブンという多面体 4 地球人とダン=セブンを“見下ろす”宇宙人 第8話「狙われた街」(2) アパートの屋根が二つに割れ、メトロン星人のロケット=円盤が飛び立つ。アンヌの連絡で出動したウルトラホーク1号。双対型円盤の片方を撃墜。巨大…
2004年 『ウルトラセブン』第26話「超兵器R1号」において、惑星1個を丸ごと消滅させるほど強力な爆弾R1号の実験が成功し、ウルトラ警備隊員たちは「これで地球の防衛は万全だ」「使わなくともこれがあるぞと知らしめるだけでいい」と口々に喜びますが、…
第 II 章 ダン=セブンという多面体 4 地球人とダン=セブンを“見下ろす”宇宙人 第8話「狙われた街」(1) 北川町の住民が次々と事件を起こす。乗客に襲いかかるタクシー運転手、自分で旅客機を墜落させてしまうパイロット(=アンヌの叔父)、ライフルを乱…
暗譜と暗譜主義 (5) 第2章 ヴァイオリンの鈴木メソッドで有名な鈴木慎一も暗譜奨励ですね。 ─── 楽譜は記憶するための参考品でしかない。 ───(鈴木慎一 『愛に生きる』 講談社、1966年、64頁) 参考ということは、自分が主、参考物は従ということです。鈴…
第 II 章 ダン=セブンという多面体 2 セブンであることを知られるダン 第5話「消された時間」 これから1年にわたって放映する『セブン』の作品世界の雰囲気を紹介し方向付ける、いわば映像娯楽編といった感じの1本である。ユシマ博士役にゲスト俳優山本…
第 II 章 ダン=セブンという多面体 3 ダン=セブンと対話する宇宙人 第16話「闇に光る目」 ダン=セブンがその自らの「セブン性」を生かし、地球人と他星人との仲介役に回り、両者の和解を成功させた唯一の例を描いた挿話である。 物語は、アンノン星調査…
第 II 章 ダン=セブンという多面体 2 セブンであることを知られるダン 第2話「緑の恐怖」 全身緑色の、蔦の絡まる怪物のようなワイアール星人が、人類を自分たちに同化させようとするホラー編。宇宙ステーションV3のイシグロ隊員に化けて地球に侵入した…
2003年 社会制度上の構成単位を家族から個人へと移行させる「シングル単位論」(→注1)を独自に提唱する知人の学者・伊田広行さんは、最近の新書版の著書の中で親子(大人と子ども)の関係についても触れ、次のように述べています。 ─── [……]親はほかの子…
第 II 章 ダン=セブンという多面体 ──第 II 章の各節・各項の連載順は、必ずしも目次の順ではなく、書き上がったものからお送りしていく。また、目次(内容)の変更の可能性もある。(再録)── 3 ダン=セブンと対話する宇宙人 第14・15話「ウルトラ警備隊…
暗譜と暗譜主義(4) ──第2章── ピアノの独習を始めて1年半ほどになります。といっても、自宅で一人、気が向いた時に我流で2、30分弾いてみるだけですが。幼少期にY音楽教室に3年通うも、さあオルガンからピアノに移行という時にやめて、それ以来30数年ぶり…
第 II 章 ダン=セブンという多面体 1 スーパーヴァイザーとしてのダン=セブン 第7話「宇宙囚人303」 『セブン』第1クール12話のうちの約半分は、格闘シーンが無いか、あるいは敵対相手が弱いためにあっけなく片が付く。クール星人はアイスラッガー一発…
第 II 章 ダン=セブンという多面体 1 スーパーヴァイザーとしてのダン=セブン 第1話「姿なき挑戦者」 モロボシダン初登場。前章でも触れたように、謎の風来坊としてどこからともなく姿を現し、ウルトラ警備隊のポインターの前に立ちはだかるのだ。堅苦し…
第 II、III、IV、V 章では、論稿を挿話別に展開していくため、原則として1回に1挿話についての掲載とする。第 II 章の各節・各項の連載順は、必ずしも目次の順ではなく、書き上がったものからお送りしていく。また、目次(内容)の変更の可能性もある。 そ…
第 I 章 ダン=セブンの二重性 2 ダンとセブンの異質性 2─2 本郷猛>仮面ライダー ~変身の二義性とヒーローのアイデンティティー、再論 悪の戦士・ハカイダーの悲劇 さて、「ヒーローと悪」を論じる上で、忘れることができないのがハカイダーの存在(→注…
2002年 ─── [……]子どものやっていることについて、一々一々実に気になって仕方のない方があります。子どものしていることの何とまずさよ、何とへまなことよ[……]それじゃいけない、そうじゃいけないというふうに[……]ひっきりなしに子どもに向かって働き…
第 I 章 ダンとセブンの二重性 2 ダンとセブンの異質性 2─2 本郷猛>仮面ライダー ~変身の二義性とヒーローのアイデンティティー、再論~ さて、以下の2項は本題からいささか離れるが、本章の付録としておきたい(2項めは次回に掲載)。 本郷猛の友、…
暗譜と暗譜主義(3) 第1章 1.一つのオーケストラ音楽とは、一人の人間が事前に頭に入れられるほどに、疎な内容であるのか。 ここには2つの意味があると思います。1つには、交響曲のスコアで言えば「ハイドンは憶えられてもマーラーは…」という、情報の分…
第I章 ダンとセブンの二重性 2 ダンとセブンの異質性 2─2 本郷猛>仮面ライダー ~変身の二義性とヒーローのアイデンティティー、再論~ モロボシダンの悲しみ では本郷猛の悲しみとモロボシダンの悲しみはどのように違うのか。まず、ダン=セブンにとっ…
第I章 ダンとセブンの二重性 2 ダンとセブンの異質性 2─2 本郷猛>仮面ライダー ~変身の二義性とヒーローのアイデンティティー、再論~ 包含型ヒーローにおける「変身論」 仮面ライダーは、ウルトラマンとともにTVヒーローの代名詞的存在である。かた…
第 I 章 ダン=セブンの二重性 2 ダンとセブンの異質性 2─1 《ウルトラセブン》と《モロボシダン》 ウルトラ警備隊 『ウルトラセブン』の作品世界にとって、ウルトラ警備隊は欠かせない。警備隊あるいは地球防衛軍というものの存在自体も重要なことはもち…
2001年 毎年僕はこの原稿を、本文にタイトルと名前だけを添えて渡すのですが、できあがったパンフレットにはいつも「吹奏楽部顧問」という肩書きが付いてきます。そうに違いないのでしょうが、どうしても自分の名前に冠されるには不釣り合いに思えてなりませ…
第I章 ダンとセブンの二重性 第1節 ダンとセブンの同一性 1─2 ウルトラマンとは誰か 郷秀樹の変身と不可解な最終回 別人型のアイデンティティ不明を示す最後の例として『帰ってきたウルトラマン』を挙げておく。郷秀樹─ウルトラマン(→注4)の変身は、彼…