音楽の編み物

シューチョのブログ

フェレイラのモーツァルトCl.協奏曲

カルロス・フェレイラのモーツァルトK.622。マルティン・フレスト以来の親近感。自分がパラレルワールドでCl.奏者になっていれば、両者の中間くらい?フレストみたいな動きでフェレイラのように吹いているかも😆。

持続音のふとした間の取り方、強弱のコントラスト、プチ装飾・プチカデンツァの音型、どれも、ハッとさせ、またチャーミングです。

アーティキュレーションも、同音型でもオクターブ違いで変えたり、面白いのもそうですが、たぶん、吹きやすく吹いている。吹きやすい方が無理なくおいしく表現できるという面を隠さない。技巧披露第一でないことが見てとれ、好感が持てます。

その吹きやすさにも関連することに、この曲には、バセット音域のオクターブ処理の話題がありますね。既存の楽譜は概して無用に音域が高く難しく…、一推しのフレストはバセットクラリネットを使ってオリジナルの音符を吹いて(しまえて)いるので参考になりえず…でした。普通のA管使用のこの演奏におけるフェレイラの処理は、彼独自のものなのか他の人もやっているのか、はたまた最近はそういう版も出ているのか、詳しくは知りませんが、どれも納得が行くものでした。第1、2楽章の随所で既存楽譜とは別の処理によって実に自然に音楽が流れます。これまで僕には思いつかなかったやり方もいくつか聞かれ、なるほど!と膝を打ちました。…ということはフィナーレの例の、既存楽譜だと超技巧的な箇所(クラリネット吹きなら誰でも知るトピック)でもおそらくやってくれるのでは…と予想していると、その通り、シャルモー音域の機敏な動きで応えてくれ、爽やかな感動を覚えました😃。

伴奏のルーマニア室内管弦楽団も、終始活き活きとして雄弁、すばらしい。

https://www.youtube.com/watch?v=B86uXl3qHjA