音楽の編み物

シューチョのブログ

ひとりぼっちの宇宙人

ウルトラセブン「狙われた街」と現代

『ウルトラセブン』第8話「狙われた街」について書いてみました。私としては珍しく、作品世界外へと開いた社会的な考察も──自分でも抑制し過ぎかと思うほど「遠慮がち」にではありますが──ほんの少し入れました。 「狙われた街」といえば、メトロン星人とダ…

『シン・ウルトラマン』─オマージュの宝箱 note

『シン・ウルトラマン』についての拙稿をnoteにアップしました。 https://note.com/syu_tyo/n/n6b113c187be0 ご一読頂ければ嬉しいです。どうぞよろしく。

ひとりぼっちの宇宙人 (37)

第 III 章 短編SFとしての『ウルトラセブン』 第43話「第四惑星の悪夢」(2) ──地球のパラレルワールドとしての第四惑星。そこはロボットが人間を支配する恐るべき世界だった。機械文明に手を初めた人間がすべてを機械に委ねるうち、人間はすっかり怠惰にな…

ひとりぼっちの宇宙人 (36)

第 III 章 短編SFとしての『ウルトラセブン』 第43話「第四惑星の悪夢」(1) 『ウルトラセブン』全挿話中、実相寺昭雄監督によるものは4本ある。「狙われた街」「遊星より愛をこめて」「円盤が来た」および本挿話である。この中では「狙われた街」の人気が…

ひとりぼっちの宇宙人 (35)

第 IV 章 ダン=セブンという多面体 (2) 2 人間としてのモロボシダン 第38話「勇気ある戦い」 『ウルトラセブン』全編中、最も異色の挿話といってよい。また、そのストーリー展開は、残念ながらお世辞にもうまく行っているとは言い難いが、今はそのことには…

ひとりぼっちの宇宙人 (34)

第 IV 章 ダン=セブンという多面体 (2) 3 標的としてのウルトラセブン 第39・40話「セブン暗殺計画」(3) その代わりに、本挿話では、地球人(の代表であるウルトラ警備隊員やタケナカ参謀)とウルトラセブンとの交流がメインに描かれた。このことは、『ウル…

ひとりぼっちの宇宙人 (33)

第 IV 章 ダン=セブンという多面体 (2) 3 標的としてのウルトラセブン 第39・40話「セブン暗殺計画」 (2) ガッツ星人は、豪力怪獣アロンをダン=セブンに仕掛け、アロンとセブンの戦闘を映像に収め、セブンの能力を徹底的に研究する。その映像を見ながら、…

ひとりぼっちの宇宙人 (32)

第 IV 章 ダン=セブンという多面体 (2) 3 標的としてのウルトラセブン 第39・40話「セブン暗殺計画」 (1) 怪獣アロンのモノクロ写真のスピード回転とショック効果音的な管楽器のトリル。「セブン暗殺計画」と銘打った本編にふさわしい映像と音楽でそれは始…

ひとりぼっちの宇宙人 (31)

第 VI 章 ダン=セブンという多面体 (4) 1 悲劇のエトランゼ 第26話「超兵器R1号」(4) 星獣を、セブンはどうやって倒したのか。アイスラッガーを手に持ち、星獣の喉元の動脈?を斬り付けたのである。黄色い血しぶき?がセブンの顔面にかかり、瞼を閉じ絶命す…

ひとりぼっちの宇宙人 (30)

第 VI 章 ダン=セブンという多面体 (3) 1 悲劇のエトランゼ 第26話「超兵器R1号」(3) ─── マエノ「信じられません。ギエロン星は、温度270度、酸素0.6%、金星とよく似た燃えない焦熱地獄です。そんな所に生物が棲めるはずがありません」 タケナカ「しかし…

ひとりぼっちの宇宙人 (29)

第 VI 章 ダン=セブンという多面体 (3) 1 悲劇のエトランゼ 第26話「超兵器R1号」(2) ===今回は引用が多くなったので、煩雑を避けるため、直後に逐一出典明示はしない。挿話名以外の「」内、および2本の───で囲まれた部分は、すべて(若槻、DVD[99g:26…

ひとりぼっちの宇宙人 (28)

第 VI 章 ダン=セブンという多面体 (3) 1 悲劇のエトランゼ 第26話「超兵器R1号」(1) 第25話「零下140度の対決」において、自己矛盾を抱えつつも改めて地球防衛の決意を固めるダンの悲壮な意志を見た。ダンは、その直後の本挿話において、何を考え、いか…

ひとりぼっちの宇宙人 (27)

第 III 章 短篇SFとしての『ウルトラセブン』 第45話「円盤が来た」 前半のあらすじはこうである。──町工場で働くフクシン君は、毎日、望遠鏡で星を見ることが楽しみの孤独な青年だった。ある夜、フクシン君は望遠鏡に白く光る円盤群を確認し、ウルトラ警…

ひとりぼっちの宇宙人 (26)

第 II 章 ダン=セブンという多面体 4 地球人とダン=セブンを見下ろす宇宙人 第25話「零下140度の対決」 「氷河期は宇宙人の仕業」という、ハリウッド映画ならばスペクタクル超大作の一本に仕上げられそうな優れたプロットを持つ。しかし、そこで描かれる…

ひとりぼっちの宇宙人 (28) (旧)

──本記事は改稿しました。こちらをお読み下さい。──

ひとりぼっちの宇宙人 (27) (旧)

──本記事は改稿しました。こちらをお読み下さい。──

ひとりぼっちの宇宙人 (26) (旧)

──本記事は改稿しました。こちらをお読み下さい。──

ひとりぼっちの宇宙人 (25)

第 II 章 ダン=セブンという多面体 2 セブンであることを知られるダン 第9話「アンドロイド0指令」(2) ウルトラセブンが実はモロボシダンの変身した姿であること。これは他の登場人物たちの誰も知らない、重大な秘密である。この「変身(正体)の秘密」は…

ひとりぼっちの宇宙人 (24)

第 II 章 ダン=セブンという多面体 2 セブンであることを知られるダン 第9話「アンドロイド0指令」(1) 冒頭のシーン。金髪で金色の衣装を身にまとった謎の女が道路の真ん中に現れ、フルハシの運転するパトロール中のポインターの進路を遮る。 ─── 「ウル…

ひとりぼっちの宇宙人 (23)

第 II 章 ダン=セブンという多面体 5 悲劇の宇宙人/宇宙怪獣 第6話「ダーク・ゾーン」(2) ウルトラホーク1号が出動するも、搭載の爆弾ではペガッサ市を破壊できないと分かり、新爆弾を載せて後から出た爆撃艇に爆破をまかせることになった。代わりに、ホ…

ひとりぼっちの宇宙人 (22)

第 II 章 ダン=セブンという多面体 5 悲劇の宇宙人/宇宙怪獣 第6話「ダーク・ゾーン」(1) 本稿で,「ペガッサ星人」とは,ペガッサ市内にいるだろうペガッサ星人の集団/総体ではなく,地球に飛来した単体=ダーク・ゾーンの主を指すものとする。集団/総…

ひとりぼっちの宇宙人 (21)

第 II 章 ダン=セブンという多面体 4 地球人とダン=セブンを“見下ろす”宇宙人 第8話「狙われた街」(2) アパートの屋根が二つに割れ、メトロン星人のロケット=円盤が飛び立つ。アンヌの連絡で出動したウルトラホーク1号。双対型円盤の片方を撃墜。巨大…

ひとりぼっちの宇宙人(20)

第 II 章 ダン=セブンという多面体 4 地球人とダン=セブンを“見下ろす”宇宙人 第8話「狙われた街」(1) 北川町の住民が次々と事件を起こす。乗客に襲いかかるタクシー運転手、自分で旅客機を墜落させてしまうパイロット(=アンヌの叔父)、ライフルを乱…

ひとりぼっちの宇宙人(19)

第 II 章 ダン=セブンという多面体 2 セブンであることを知られるダン 第5話「消された時間」 これから1年にわたって放映する『セブン』の作品世界の雰囲気を紹介し方向付ける、いわば映像娯楽編といった感じの1本である。ユシマ博士役にゲスト俳優山本…

ひとりぼっちの宇宙人(18) II.3

第 II 章 ダン=セブンという多面体 3 ダン=セブンと対話する宇宙人 第16話「闇に光る目」 ダン=セブンがその自らの「セブン性」を生かし、地球人と他星人との仲介役に回り、両者の和解を成功させた唯一の例を描いた挿話である。 物語は、アンノン星調査…

ひとりぼっちの宇宙人(17) II.2

第 II 章 ダン=セブンという多面体 2 セブンであることを知られるダン 第2話「緑の恐怖」 全身緑色の、蔦の絡まる怪物のようなワイアール星人が、人類を自分たちに同化させようとするホラー編。宇宙ステーションV3のイシグロ隊員に化けて地球に侵入した…

ひとりぼっちの宇宙人(16) II.3

第 II 章 ダン=セブンという多面体 ──第 II 章の各節・各項の連載順は、必ずしも目次の順ではなく、書き上がったものからお送りしていく。また、目次(内容)の変更の可能性もある。(再録)── 3 ダン=セブンと対話する宇宙人 第14・15話「ウルトラ警備隊…

ひとりぼっちの宇宙人(15) II.1

第 II 章 ダン=セブンという多面体 1 スーパーヴァイザーとしてのダン=セブン 第7話「宇宙囚人303」 『セブン』第1クール12話のうちの約半分は、格闘シーンが無いか、あるいは敵対相手が弱いためにあっけなく片が付く。クール星人はアイスラッガー一発…

ひとりぼっちの宇宙人(14) II.1

第 II 章 ダン=セブンという多面体 1 スーパーヴァイザーとしてのダン=セブン 第1話「姿なき挑戦者」 モロボシダン初登場。前章でも触れたように、謎の風来坊としてどこからともなく姿を現し、ウルトラ警備隊のポインターの前に立ちはだかるのだ。堅苦し…

ひとりぼっちの宇宙人(13) 第 II 章目次

第 II、III、IV、V 章では、論稿を挿話別に展開していくため、原則として1回に1挿話についての掲載とする。第 II 章の各節・各項の連載順は、必ずしも目次の順ではなく、書き上がったものからお送りしていく。また、目次(内容)の変更の可能性もある。 そ…