音楽の編み物

シューチョのブログ

クリ拾い (26)

シューチョのアーカイブ (6)

──1999.5.27「普通を超えて、好きなことに向きになろう」──

 「TVチャンピオン TVヒーロー王選手権」(テレビ大阪)を途中から見ました。「大決勝戦」の出題形式は

──

ウルトラ怪獣または仮面ライダーの怪人のソフビ人形200体の中から1体ずつ選び、そのキャラクターが初登場した番組名およびエピソードのタイトルを答える。サドンデス。

──

というものでした。僕は、少なくとも放送された部分については、決勝進出の彼らと互角でした(笑)。ライダーはキビシイが、『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の2番組ならかなりイケます。どうしてこんな基本的出題を決勝に持ってきたのか。いや、決勝に来て出題内容のカルト度を浅くしたこと(→注1)自体は、視聴者の番組参加的気分を増すためにはよかったと思います。が、出題形式がよくない。キャラクターは200体限定とは言え、人形の山から自分で選ぶのだから、決着がつくとすればウッカリ間違いしかあり得ない。案の定、決勝進出者の一人・ショッカーO野氏が、序盤では得意の仮面ライダー系を温存して、もう一人の前回チャンピオンの大石真司氏の得意なウルトラ系を自分も選ぶ作戦に出たのですが、キーラの回を言い間違えてあっさり決着。知らないから答えに詰まったのではないわけです。もとより、知らないならその人形は取らないようにするだろうし、まだ二人の知識が底を尽るほどの段階では到底なかった。まさにこれから…というところで終わったという感じ。田中義則も松本明子も「何でそんなに知ってるのー」とウケていたが、このレベルの知識ならごく常識でしょう。この僕がイケるくらいなんですから(もちろん番組全体としては第1期ウルトラシリーズに関する問題だけではないからそんなに甘くはないのですが)。

こういう番組でいつも不快に思うのは、何も知らないド素人のタレントが番組進行をして、余計なチャチャを入れて笑いを取ろうとするところです。よくあるのはダンの変身シーンで鼻がアップになるところでみんなで笑うというヤツです。ふざけるな!今回も、松本明子のヴィラ星人への冒涜は許せなかった。「弱そーう!」「ビラビラしてるからビラ星人?安直ー」何を言うか!おまえのアタマが安直なだけじゃ(注2)!そこへいくとショッカーO野氏は、ヴィラ星人を選んで正解した後「当時珍しい操演タイプで、新しいことに挑戦しようという円谷プロのスタッフの意気込みが感じられた怪獣、というか宇宙人です」と、わずか10秒足らずで、ヴィラ星人について特にその人形を手にして何か一言、といえばそこしかなかろうという、見事に的確なコメント。僕は「消された時間」に山本耕一がゲスト出演したことが咄嗟に口をついて出たのですが、彼の方が上手でした(笑)。さすがです。ゲストも松村邦洋だけでは半端です。せめて佐野史郎とか京本政樹とかを呼んでほしい。

そういえばふと思い当たりましたが、「何も知らないド素人のタレントが番組進行をして、余計なチャチャを入れて笑いを取ろうとする」という点ではN響アワーの壇ふみも同罪ですね。彼女を個人攻撃して済むことではなく、企画の問題なのでしょうが、あの番組のトークにも大概脱力しますよね。どうして、もっと、もっともっと“専門的”にやらないのか。時間潰し・お茶濁しで味を薄めることが本当に視聴者に求められているのでしょうか。トーク無しなら「芸術劇場」に任せればいいのでしょうが、あんな内容を流す時間があるならやっぱりもう1曲やった方がましでしょう。

さて、『TVチャンピオン』では毎回、「あなたにとって…(その回のテーマ)…とは?」という質問に答えるときと、チャンピオン椅子に座ったときの2度、チャンピオンに何か一言言う機会が与えられるのですが、いつもなかなか含蓄のある言葉が聞けます。TVヒーロー王・大石氏の言葉は以下のようでした。

(あなたにとってTVヒーローとは?)

「友情の掛け橋です。」

「普通を超えて、好きなことに向きになろう。」

注1:何回戦だったか、「(ジュウレンジャーとかデンジマンとかの)“戦隊もの”のレッド(赤)キャラクターばかりの人形6体を番組放送順に並べよ」とかいう出題よりは、やっぱり決勝問題の方がカルト度は浅いでしょう。……? 同じかなあ。

注2:フォローもしておきますが、松本明子さんは、その結婚観など、なかなかイイと思っています。