音楽の編み物

シューチョのブログ

クリ拾い (33)

獣医ドリトル」(TVドラマ版)

────

ちゃんと現実を見なきゃダメだ。たくさんの癌が早期治療によって克服されている、という現実を。

────

 

 TVドラマ「獣医ドリトル」 第8話の台詞──記憶だけで書いていますのでこの通りではなかったかもしれません──。自分が癌だとわかり絶望しつつ、逃避的に海外映画出演のチャンスに乗ろうとする女優に向かって、ドリトルが発した言葉です。なかなか、よかったですねえ。「現実を見よ」という言葉の、こういう使い方があったのですね。これは頂いておきます。

 

獣医ドリトル」関連のページ/ブログ等をいくつか見て回りましたが、この台詞への言及は見当たりませんでした。この回のテーマ(ペットの安楽死)とは直接関係ない部分だったからかも。確かに「愛情とは、自分の時間を犠牲にしても相手のために時間を割いてやることだ」の方がこの回のサビの台詞なのでしょう。それはわかります。でも僕は、フィクションの「成果」としては、お座なりの慣用句の用法・意味を「反転─好転」させるという、先述の台詞の修辞効果の方に光を当てたいと思います。