音楽の編み物

シューチョのブログ

2015-01-01から1年間の記事一覧

作品のスタイルと演奏のスタイル (3)

言の葉と音の符、楽の譜は文の森(11) 2007年2月 僕自身はというと、「シャコンヌ」や「黄金の調和」には、テンポ・強弱・漸強弱以外に細かい指示というものはほとんど書き込んでいません。面倒くさいのです(笑)。どう表現するかなんて、そんなこと、音符を…

作品のスタイルと演奏のスタイル (4)

言の葉と音の符、楽の譜は文の森(12) 2007年2月 ベートーヴェン第5第1楽章の運命動機が僕には「ベートーヴェンの涙の粒」に見えます。これは作曲家の意図とはかなり異なるでしょう。それはわかっていても、そう捉える自由はあると考えます。いえ、自由があ…

作品のスタイルと演奏のスタイル (5)

言の葉と音の符、楽の譜は文の森(13) 2007年2月 吹奏楽曲の楽譜にはアーティキュレーションが山盛り…などと述べましたが、何と、シューマン「ライン」のスコアに「スタッカート+テヌート」が記されていました。第3楽章の木管に対して。自筆譜との検証など…

作品のスタイルと演奏のスタイル (6)

言の葉と音の符、楽の譜は文の森(14) 2007年3月 ──作品と表現の弁証法── いわゆるピリオド奏法、古楽器演奏、古楽器風スタイルが隆盛です。例えばベートーヴェンの音楽は確かに18世紀末から19世紀初めにかけて生まれました。当時、はたしてほんとうに、現在…

音楽作品という多様体の表現論 (1)

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (7) 2006年12月 「作品の解釈」について、爆笑問題の太田光は、次のように述べます。 ─── 太田 [……]少し前に僕は、テリー・ギリアムという映画監督と対談をしました。ギリアムの『フィッシャー・キング』という作品が好き…

音楽作品という多様体の表現論 (2)

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (8) 2006年12月 ノリントンのマーラー第5のアダージェットを聴きました。確かに「ピュアな響き」ですね。途中でどうにも飽き足りなくなったのでワルター/ニューヨークフィルに切り替え。こちらは最後まで聴きました。次に…

考えと行いのあいだ

私シューチョは、「名前の由来」や「トリカード・ムジーカの考え」において、“始動者”の一人としてその壮大な?理念を打ち出しております。また、「シューチョの文集」に収めた文章も、「音楽/演奏とは何か/どうあるべきか」といった、根源的・本質的な話…

トリカード・ムジーカの考え(理念)

芸術・音楽の営みとは、それ自体が目的で営まれるという以外の在り方はないといえます。芸術(音楽)活動の貴さ=価値は、それ自体の中にすでに含まれているからです。 例えば「演奏会という大きな目標に向かって」などと気負わなくとも、ただ楽しく音楽を享…

「トリカード・ムジーカ」名前の由来

Trikado Muzika=トリカード・ムジーカ。原語はエスペラントで、日本語に訳すと「音楽の編み物」となります。 編み物をする手。それは、熟れた勢いと素早さを伴って、止まることなく自らの流れを保ちつつ、次々と複雑な形や模様を生み出していきます。その行…

2015.08.28

新しい個人サイト「Trikado Muzika トリカード・ムジーカ」を開設致しました。 どうぞご覧頂きますよう。 シューチョ

トリカード・ムジーカとは

「トリカード・ムジーカ」とは、指揮者シューチョとその仲間の営む音楽合奏の形です。名前はエスペラントで「音楽の編み物」。「音を編む・人と音を編む・人と人を編む」という3つの意味を込めています。人の手が、反復的で制約的なその動作によってかえっ…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (62)        ドヴォルザークはお好き

何であれ,“通”の視点というものはありますね。交響曲でいうと, ブルックナー第4 シベリウス第2 ショスタコーヴィチ第5 といった「それだけを聴いていたのではとうていその作曲家の真価はわからないぞ,という。 私自身はというと,上記の例では,ブルッ…

クリ拾い (50) Apple Watch ??

Apple Watch,売れ(てい)るのでしょうか。 僕はこれについて,AppleのページとTVのCMでしか見ていません。ネットやメディアでの評(判)を知らないまま,書いてしまっておきます。 Apple Watchは,これまでのAppleの製品とは全く成り立ちが違うという直観…

クリ拾い (49) ゴジラ×メカゴジラ

『ゴジラ×メカゴジラ』を視聴。釈由美子は好演。それだけに,険しい表情の場面ばかりが多いのがやや残念。笑うシーンや素顔的なシーンがもっと欲しかったような気がします。『×メガギラス』での田中美里の設定の踏襲なのでしょうが,過去の同僚の死あるいは…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (61)        チョン・ミョンフン&フランス放送po.「悲愴」

本日のNHK-FM「ベストオブクラシック」。チョン・ミョンフン指揮フランス放送フィルハーモニー管弦楽団のチャイコフスキー「悲愴」。いやあすばらしい!どうしたチョン・ミョンフン。やるじゃないか。21世紀、芸術音楽演奏史的にはとうに冬枯れの時代かと思…

クリ拾い (48) ゴジラvsメカゴジラ

「ゴジラvsメカゴジラ」を視聴。以前の記憶と比べれば少し好印象を受けました。ベビーゴジラがいいですね。影の主役です。精巧な着ぐるみ造型、目や手足の動き、鳴き声、それらが違和感なく丁寧に統合されていてキャラクターが確立していて、そのことに呼応…

クリ拾い (47)「ゴジラvsビオランテ」

本稿はいわゆるネタバレ的内容を含みます。ご承知おきのほど。 「ゴジラvsビオランテ」を視聴。やはり、ビオランテの最期の、光の砂の上昇に英理加(沢口靖子)の姿の昇天を重ね合わせるという描写は、私には受け入れ難く、場違いなギャグ漫画のようにしか思…

クリ拾い (46)

2015年が明けました。今年もよろしくお願いします。 昨年夏に日本映画専門チャンネルにて「ゴジラ総選挙」が行われ,第1位は「ゴジラvsビオランテ」。巷で評価が高いことは知っていましたが,私は本作を初めて視聴したときは?でした。『形態学的怪獣論』『…