音楽の編み物

シューチョのブログ

作品のスタイルと演奏のスタイル (3)

言の葉と音の符、楽の譜は文の森(11) 2007年2月

 僕自身はというと、「シャコンヌ」や「黄金の調和」には、テンポ・強弱・漸強弱以外に細かい指示というものはほとんど書き込んでいません。面倒くさいのです(笑)。どう表現するかなんて、そんなこと、音符を見ればわかるでしょ、という気持ちが強い。それだけに、例えばふと記した1個のアクセントに、自分なりにかなり深い意味を込めていたりする。見逃すなよ、と。

そういえば吹奏楽曲(または編曲)の楽譜には、アーティキュレーションが山盛りですねえ。“裸”の音符の方が少ないかと錯覚するほどです。確か「吹奏楽のための民話」にはテヌートとスタッカートが一緒に付いた音符があったような。どっちやねん。いえ、気持ちはわかりますが、作品に力があれば、演奏側がその程度のイメージには辿り着くはずなのです。楽譜からしてうるさい文化であれば、それを鳴らした音楽もまたうるさくなるのは道理です。

さて、上記で「僕自身はというと」の書き出しに続いては、大野和士との比較で指揮者としての話題が来るのが自然ですよね。次回はその辺りをば。