音楽の編み物

シューチョのブログ

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (45)

 ヤマハでカリンニコフ交響曲第1番のミニチュアスコアを見つけ、即購入。去年9月の発行のようですが、日本版が出ているとは知りませんでした。これはおいしい。これまでにもササヤ書店で(カルマスでしたか)大判を何度か手にとったのですが、買うまでには至らずだったので…。しばらくたのしめそうです。

中学2年か3年のとき、音楽の先生にブラームス第1と第4の音楽之友社版ミニスコアを借りて、オトマール・スウィトナーベルリン国立歌劇場管弦楽団(第1)の来日公演や、ヤーノシュ・フェレンチーク&ハンガリー国立管弦楽団(第4)の公演のFM放送をエアチェックして、スコアを見ながら何度も聴いたものです。

以前、橿原交響楽団のインタビューでも答えましたが、初めて買ったスコアはホルスト「惑星」。ブージー&ホークスの、現在のものより小さく、音楽之友社などの日本のミニスコアと同程度のサイズでした。この頃から近視になったのは間違いなくこれが原因でしょう。2冊めはマーラー第1を、スウィトナードレスデン国立歌劇場管弦楽団(DG廉価盤)とともに。つづいて確か、チャイコフスキー第4〜第6。第4はオーマンディ「音の響宴1300」、第5はショルティ&シカゴ、第6はカラヤンベルリンフィル。何ともまあ、気恥ずかしいディスコグラフィですが(苦笑)、宇野先生の批評に接するなどして深い鑑賞に目覚めるのはまだ先でして…。ブラームスは、自分で最初に買ったのは第3でした。第1・第4は上述の通り借りていたので第3を買ったのだったと…。ヨッフム&ロンドンフィル盤を愛聴していました。第2は高校に入ってから、ブルーノ・ワルターのステレオ盤を聴いて心の師とする時期だったと思います。

当時は、当然ながら、自分が実際にその曲を演奏するとかしないとか、そんなこととは全く関係なく、ただただ、楽譜を目で追いつつ曲を聴くことがたのしく、そうしていました。僕にとっては、自宅のオーディオ装置でレコードを聴くことは、常に同曲のスコアを読むこととともにあったのです。

カリンニコフ第1のスコアを何のためらいもなく手に入れてわくわくしながら、ふと我に返り、中学時代高校時代の“読譜聴き”マニア?であった自分を思い出したのでした。