音楽の編み物

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言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (26) ─FM大阪出演[2]─

 「宇野功芳の音楽夜話」5月の第2週分が放送されました。FM大阪の電波が届く地域のみなさんにアンサンブル・フロイントの演奏が届きました。

 アンサンブル・フロイント結成以来、苦節15年(?笑)、このような時がやって来ようとは、やはり感慨深いものがあります。2005年のシューマン交響曲第2番のフィナーレ、2007年の「ザ・グレート」のフィナーレ、そして2001年のバッハ「シャコンヌ」の3曲が、合計時間にすると「コーホーの芳名録」コーナー中の約30分間、ほぼ途切れることなく流れました。トークの流れに沿った自然なBGMとして始まりつつ、特に僕が放送を希望した箇所については、そことトークが重ならないようなタイミングで音楽だけになるという、吉川智明プロデューサーの絶妙な編集。吉川さん、どうもありがとうございました。

シャコンヌについては希望箇所=候補箇所を2カ所伝えてあったのですが、どちらかというと「地味な方」=(トークと重ならない部分として)第27変奏〜第31変奏の部分が選ばれました(笑)。時間的・編集的にこちらがフィットしたのでしょう。第31変奏(前半の短調部分の最後の変奏)でヴァイオリン(と木管)に書いたオリジナルパッセージは自分でも気に入っており、拙編の聞き所の一つだと思っています。もう一つの「派手な方」とは、第46〜第51変奏の部分(3連符のファンファーレ〜長調部分のクライマックス)の所でした。シューマンシューベルト長調でしたし、今回のコーナーの締めとしてはこの方がよかったと僕も思います。

しゃべりの方では、収録直後には、フロイントのことをどうもうまく紹介できなかったという感触があったのですが、聴いてみると、大きく悔やむほどではなかったかと…。普段の「練習」風景や団費の扱いなど、フロイントには、短い時間でうまくとりまとめて人に説明することが(少なくとも僕にとっては)難しい、かなりの独自性があります。そもそも、「練習」からして、どうしてカッコ付きなのか、とか説明しないといけない(笑)。それらは、不用意に「自慢」してしまうとたいへんな誤解を呼ぶ可能性もあり、ラジオのトークで軽はずみに語ることはやはり躊躇されたのでした。特に宇野先生に「何だ、そりゃ」と否定的に思われては元も子もないわけで…。「フロイントって何ですのん」(や「フロイントQ&A」)に書かれているようなことを数分間でうまく語るには、話術も準備も明らかに不足していました。しかし、「何ですのん」でさえも、「生のアンサンブル・フロイント」の音・人・空気・雰囲気を伝えるには十分でないでしょうし。ねえ、「団長」さん。

そういえば、「創設者」とコンサートマスターについては紹介できたのに「団長」のことには触れられませんでした。しまったなあ。ご容赦をば。ここも、「団長」がカッコ付きですからねえ(笑)。「団長」というとバスツアーの先頭で旗を持つようなイメージが…。「代表」の方が近い?でも何だか民主党みたいだし、と、それは気にしなくていいのか(…)。あるいは「顔」かな。「顔はおまえだ」と言われそうですが、それは「外向き」の話で。見学の人や「入団」希望の人をファッチャ京橋で初めて挨拶を交わし迎え入れる、フロイントに初めて訪れる人にとっての「顔」、あるいは「団員」にとっての普段の「顔」、それが「団長」さんではないかと。何気なく大事です。しかしあくまで何気なくなのであり、大事と言い過ぎるとまた意味が離れ、本来の貴さがかえって伝わらない…。──と思いながら「フロイントQ&A」を読み直していたら、おぉ、やはりマネージャーさんも、「フロイントの運営は『何となく』行われてい」る、「団長」とは「団の『顔役』のようなもの」、と書いているではありませんか。── アンサンブル・フロイントというものの説明不可能性(大げさ)がここにもあります。僕というのは、フロイントの内輪ではまず、人見知りで愛想のわるいヘンな人だが、指揮を見ていると何だかおもしろい振り方をする…というところではないでしょうか(笑)。「小西収」は、対メディア的に、アンサンブル・フロイントの「広告塔」だろうという自覚があります。ウェブサイトの構成がそうですし、今回の放送にしても、僕の番組出演を介してなされ得ましたし。

名前の訂正のされ方も、気持ちのよいものでした。なるほど、そんな風に言ってくれるのか、と感心。

あと2回あります。次回の放送は5月18日(日)深夜24時。どうぞよろしく。

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