音楽の編み物

シューチョのブログ

音楽

作品と表現の弁証法

いわゆるピリオド奏法、古楽器演奏、古楽器風スタイルが隆盛です。例えばベートーヴェンの音楽は確かに18世紀末から19世紀初めにかけて生まれました。当時、はたしてほんとうに、現在に古楽(風)として行われているスタイルのように演奏されていたのかどう…

作品のスタイルと演奏のスタイル (1)

メンデルスゾーンやシューマンの辺りが、自分にちょうどいいのではないかと思うことがあります。いわゆる前期ロマン派で、でも、シューベルトではちょっと手前過ぎる、という。文字通りロマン的でありながら、古典の運びを残しているので、造型しやすい。 マ…

作品のスタイルと演奏のスタイル (2)

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (10) 2007年1月 ──以下は、「椿姫」の具体論ではなく、一般論としてお読み頂ければ幸いです。僕は「椿姫」については全く不勉強ですし、手もとに資料もありません。例えば「咳」について、全くの大野の独創なのかそれとも台…

考えと行いのあいだ

私シューチョは、「名前の由来」や「トリカード・ムジーカの考え」において、“始動者”の一人としてその壮大な?理念を打ち出しております。また、「シューチョの文集」に収めた文章も、「音楽/演奏とは何か/どうあるべきか」といった、根源的・本質的な話…

トリカード・ムジーカの考え(理念)

芸術・音楽の営みとは、それ自体が目的で営まれるという以外の在り方はないといえます。芸術(音楽)活動の貴さ=価値は、それ自体の中にすでに含まれているからです。 例えば「演奏会という大きな目標に向かって」などと気負わなくとも、ただ楽しく音楽を享…

「トリカード・ムジーカ」名前の由来

Trikado Muzika=トリカード・ムジーカ。原語はエスペラントで、日本語に訳すと「音楽の編み物」となります。 編み物をする手。それは、熟れた勢いと素早さを伴って、止まることなく自らの流れを保ちつつ、次々と複雑な形や模様を生み出していきます。その行…

トリカード・ムジーカとは

「トリカード・ムジーカ」とは、指揮者シューチョとその仲間の営む音楽合奏の形です。名前はエスペラントで「音楽の編み物」。「音を編む・人と音を編む・人と人を編む」という3つの意味を込めています。人の手が、反復的で制約的なその動作によってかえっ…