音楽の編み物

シューチョのブログ

○塾 -わじゅく- にて (1) 射影幾何学

宇高幸治さんが塾長をなさっている「○塾 -わじゅく- 」の「すきなーのかたりーの」というイベントに参加。はからずも塾長とのサシ対談となり,大いに盛り上がりました。お互い話すこと聞くことに集中し過ぎ?写真などが無いのが残念。

 

思い出すままに,今回は2点について書き留めたものを,1つずつ。

 

(1) 射影幾何学

パップスの定理,作図する度にサブイボが立ちます(笑)。日頃,生徒たちには「驚ける力」と言っています。「オォ」「ホーォォ!」があるから面白い。そのココロは…説教くさくて野暮になるおそれがあるので普段は言わずに秘めていますが──「オォ」「ホーォォ!」という反応は,本心からしかできない。誰もが数学を好きや得意にならなくていいが,驚ければ脈あり,でなければひとまず残念,しかし,そこで「ふん,それがどうした」と拗ねる(偽の自発性─自発を気取るが実は悪い意味での受動性)のなら数学の方からはけっして近寄ってこない,「驚けない」と悲しみ(笑)「驚きたい」と奮起(真の自発性─良い意味で素直な能動性)できればその時点から脈は打ち始める,探究する者を誰一人として数学の方から門戸を閉ざすこともまたけっしてない,ということでしょう。射影幾何学の他の諸定理についても機会があれば準備も少しだけしっかりした上で語りたいですね。といっても,定理の紹介だけならともかく,それらの証明までをきちんとするのはなかなかハードです…。定理の示す状況は視覚的には(ピタゴラスの定理などの計量を含むものよりもずーっと)一目瞭然なのに,証明するのは難解(理系大学1〜3年生程度?),という,そこがまた射影幾何の醍醐味でもありますが。

 

一方,塾長は,森田真生さんのウェブ上の文章も紹介しつつ,数学を学ぶ/学び直す大人の人々の発する「素朴な疑問」の奥深さなどについて,ご自身の体験・思考を雄弁に語りまくってくれました。いわゆる(これまたそれを言うだけではステレオタイプになってしまう)「学問の徒≠優等生」ということの本質を,お互いの実感と確信を持って語り合い聞き合うことができた気がしています。