音楽の編み物

シューチョのブログ

物理の本

ときおり、物理の本を無性に読みたくなります。
  
理工系の学部生向け教科書程度のものを選んで…といっても、通読できたものもあれば、拾い読みしただけのもの、初めの方で止まっているもの、などいろいろですし、読んでは忘れまた読んでは忘れ…という、一つの推理小説を何度も楽しめるような読み方?だったりしますが(頭掻)。

 

それでも、物理の本を無性に読みたくなるときがあるのです。

 

それはきっと、物理学者だった亡き父に教わりたい気持ちがずっとあるからでしょう。物理の本を読んでいると、そこに登場する、物理学やそれに必要な数学についての用語や考え方から計算や記号の形に至るまでが、昔、僕が一つ聞くと十返す感じに、十分にはわかるわけもないのにいろいろ父が話し書いてくれた、それらのものとして想起され現れてくるのです。「あぁ、これ、言ってたなぁ、書いてたなぁ…」という感じに思い出す…いえ、そんな気がするだけで、逐一覚えているわけではきっとなく、でも記憶がもう明確でないからこそ却って、読んでいる今、あたかも父が傍にいて話し書いてくれている、再びその声が聞こえその筆跡が見えるように感じる、とでもいったらいいのでしょうか。それで、「その話、今聞くとよくわかる!」というふうに感じながら理解していけて、嬉しくもなるのです。