音楽の編み物

シューチョのブログ

わかる人、わかる時、わかる可能性 (31)

報道ステーション」で、古館伊知郎がスーパーコンピュータ「京」について

 

コンピュータ界のウサイン・ボルト、とは言われていないかもしれませんが…

 

と切り出していたのを、ふと懐かしい思いで聞きました。

 

1989年以降、F1人気がピークを迎えたとき、実況に古館さんが抜擢されました。当時は「何でまた古館なんかが」と、反発したい気持ちになりましたし、

 

納豆走法(雨天時などの中嶋悟の粘り強い走りを称して)

振り向けばブーツェン

犬も歩けばチェザリスに当たる

 

など、むしろ安直に聞こえた面もあったし、例えば「納豆走法」なんて、中嶋悟本人の気に召さなかったとも聞きます。が、そういう妥当性の度合いは置くとしても、今になって思い出してみると、一つ一つがこうして記憶に残るワンフレーズとしてできていて、何より、今口に出してみても、何だかたのしい。彼が言葉の扱いについて某か優れていたことを認めざるを得ません。

 

実は彼が「報道ステーション」を受け持つことになったときも、失礼ながら再び「何でまた古館なんだ」と思ったのですが、同番組は、今やメジャーなTV報道の中では相対的には最もましでまともな発信源であることは間違いないでしょう。そしてそれは古館さんというメインキャスターのキャラクターの力にも大きく依っているといえます。そのことは、「もし、圧力がかかって、番組を切られても、私はそれはそれで本望です。また、明日の夜、9時54分に、みなさまにお会いしたいです。おやすみなさい」と締められるあの、2012年3月11日の終わりのあいさつにも、十分表れていますね。これはぜひ生で見ておきたかった。