音楽の編み物

シューチョのブログ

言の葉と音の符、楽の譜は文の森 (48)

 「夜のヒットスタジオ」にて2回めの「星の砂」。沖縄民俗音楽との共演。といっても、音楽的には特に何ら関連のない2つが、接続部分も何も設けられずにただ交互に演奏されるだけのシンプルなものではありますが、なぜか「つながってないぞ/意味ないぞ」とつっこむ気持ちにはあまりならないまま、小柳ルミ子の美貌・美声・美唱ぶりに引き込まれます。コラボなんていう浮ついた語が流行る20年以上前です。

もちろん「星の砂」は単独でも十分に名曲。関口宏出門英もよくぞ書いたねえ。さだまさし加山雄三の「旅人よ」のサビ前のコード進行を「(たとえ洋楽などにネタ元があったとしても)当時としては一つの事件」と言ったのにならえば、「星の砂」における、一番でも二番でも三番でもない詞・曲が突如差し込まれる「風よ吹け 波よ打て」の部分も、当時の歌謡曲としては十分「事件」でしょう。もちろん、後年このような形式のさらに巧みな曲が数多出る(例えば「My Graduation」)のではありますが、「星の砂」のそれは今聴いても新鮮です。ぐっときます。

本放映時の「夜ヒット」の「星の砂」を見た当時の僕の記憶の中の小柳ルミ子は白のドレスを纏っています。1回めは黄、今回は水色でした。次回以降に白で登場するのか、僕の記憶違いか。いずれにせよたのしみです。