メンデルスゾーンの管弦楽は、言葉の無い歌である。
音楽テーゼ集
(6) メンデルスゾーンの管弦楽は、言葉の無い歌である。
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メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」作品26
メンデルスゾーンの交響曲・管弦楽曲の特徴とは、歌謡主題の美しい旋律を交えつつ、純器楽的な動機が織りなす“音のドラマ”が繰り広げられるところであろう。この曲も小曲ながらこの魅力を典型的に備えているといえる。私にとって、メンデルスゾーンの音楽は相性が合うのか、考え過ぎず凝り過ぎず、最も力まずに感じたままに演奏に臨むことのできる作曲家であるようだ。そういえば我が“心の師”ブルーノ・ワルターのディスコグラフィにはメンデルスゾーンの交響曲が1曲も無い(「フィンガル」はある)。この痛恨の歴史的空白は、自ら埋めるしかないか?!
(2001年)