音楽の編み物

シューチョのブログ

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

柳宗悦『工藝の道』(やなぎむねよし、講談社学術文庫、2005年)

2009年から数年に渡って、何冊もの文庫本に収められた柳宗悦の幾多の著述に触れてから、柳の文章に自分の内面の思考と外向の実践とを支えられてきました。民藝にあやかって楽藝(['gakugei]:第1音節にアクセント)と称して、トリカード・ムジーカの活動を…

駒尺喜美『紫式部のメッセージ』(こましゃくきみ、朝日選書、1991年)

駒尺喜美さんは祖母・小西綾と約50年連れ添った同居人。小西・駒尺は日本のフェミニズム黎明期を牽引したうちの二人で、一定以上の世代の女性学に携わる人ならまず知らない人はいないと信じます。綾は、単著は1冊も残さなかった運動家で、東京での勉強会の中…

渡植彦太郎『仕事が暮らしをこわす ─使用価値の崩壊─』(とのうえひこたろう、農文協人間選書、1986年)

就職して2年目の頃、農文協人間選書の渡植彦太郎「経済社会学」三部作『仕事が暮らしをこわす』『技術が労働をこわす』『学問が民衆知をこわす』をセットで購入、このうち、唯一読了できたのが本書です。キャッチィな書名から、何が書かれているのかだいたい…

ブルーノ・ワルター『音楽と演奏』(渡辺健 訳、音楽之友社、2013年新装復刊)

『主題と変奏』『ブルーノ・ワルターの手紙』と並ぶ、ワルター三大翻訳書の一つ。大学生の頃、『音楽と演奏』だけが長らく品切となっていました。確か大学の図書館などにも見当たらず…。で、そうなると、『変奏』『手紙』を読み終えていたわけでもないのに、…