音楽の編み物

シューチョのブログ

2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ひとりぼっちの宇宙人 (30)

第 VI 章 ダン=セブンという多面体 (3) 1 悲劇のエトランゼ 第26話「超兵器R1号」(3) ─── マエノ「信じられません。ギエロン星は、温度270度、酸素0.6%、金星とよく似た燃えない焦熱地獄です。そんな所に生物が棲めるはずがありません」 タケナカ「しかし…

わかる人、わかる時、わかる可能性 2007 (1)

シモーヌ・ヴェイユ(→注1)(1909~1943)に僕が関心を持ち始めたのはごく最近のことです。図書館の開架図書に偶然『カイエ』や冨原眞弓氏(→注2)の著書を見かけ、面白そうだと思ったのがきっかけでした。ヴェイユは、その短い生涯で、哲学者として高校教…

クリ拾い (2)

──この記事は、その性質上、主題とした作品の“ネタばれ”を含みますので、予めご了承下さい。── 科学と空想科学 (1) 「特撮」批評を書いていて考えついたことの一つに、「科学的であること」と「空想科学的であること」(の違い・区別)の問題があります。約1…

ひとりぼっちの宇宙人 (29)

第 VI 章 ダン=セブンという多面体 (3) 1 悲劇のエトランゼ 第26話「超兵器R1号」(2) ===今回は引用が多くなったので、煩雑を避けるため、直後に逐一出典明示はしない。挿話名以外の「」内、および2本の───で囲まれた部分は、すべて(若槻、DVD[99g:26…

ひとりぼっちの宇宙人 (28)

第 VI 章 ダン=セブンという多面体 (3) 1 悲劇のエトランゼ 第26話「超兵器R1号」(1) 第25話「零下140度の対決」において、自己矛盾を抱えつつも改めて地球防衛の決意を固めるダンの悲壮な意志を見た。ダンは、その直後の本挿話において、何を考え、いか…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (13)

作品のスタイルと演奏のスタイル (5) 先週のアンサンブル・フロイントで、その「ライン」をやって改めて発見したのですが、何とシューマンのスコアに「スタッカート+テヌート」が記されていました。第3楽章の木管に対して。自筆譜との検証などができる環境…

クリ拾い (1)

──この記事は、その性質上、当該作品の“ネタばれ”を含みますので、予めご了承下さい。── “化ける「映画化」”の問題 ~4つの『タッチ』をめぐって~ 『タッチ』には現在、あだち充の原作漫画の他に、TV版アニメーション(以下「TV版」)、映画版アニメーショ…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (12)

作品のスタイルと演奏のスタイル (4) ベートーヴェン第5第1楽章の運命動機が僕には「ベートーヴェンの涙の粒」に見えます。これは作曲家の意図とはかなり異なるでしょう。それはわかっていても、そう捉える自由はあると考えます。いえ、自由があるかないか…

言の葉と音の符 楽の譜は文の森 (11)

作品のスタイルと演奏のスタイル (3) 僕自身はというと、「シャコンヌ」や「黄金の調和」には、テンポ・強弱・漸強弱以外に細かい指示というものはほとんど書き込んでいません。面倒くさいのです(笑)。どう表現するかなんて、そんなこと、音符を見ればわか…